血管力が若返る!【池谷式】食習慣
ゆる糖質オフで内臓脂肪を増やさない
「前述のとおり、内臓脂肪は血管の老化にとって最大の敵。蓄積されないよう、糖質はなるべく控えています」
と話す池谷先生。エネルギー源として適度な糖質はとりつつ“ゆる糖質オフ”に努めている。
「ご飯は量を半分に。もち麦や大豆を加えてかさ増しし、満足感を出しています」
忙しい朝は、簡単に用意できる低糖質メニューの定番を決めている。
「ずっと続けているのは野菜ジュース。ニンジン1本とりんご半分をジューサーにかけ、そこにオリーブオイルとレモン汁を加えたものを毎朝200mlほど飲みます」
そこに白米の量を少なめにした納豆ご飯とインスタントのみそ汁、ヨーグルトをプラスする場合も。手軽にビタミン、食物繊維、タンパク質といった栄養素がとれるのがメリットだと話す。
「朝食を抜くと、午前中から空腹で交感神経が高まるだけでなく、昼食後の血糖値が急上昇するので危険です」
また、甘いものを食べるのは朝食後。昼食と夕食で摂取する糖質の量を減らしたり、日中の運動量を増やせば帳尻を合わせられるからだ。
「逆に、夜に外食の予定が入っているときは、朝から食事量を調整します。あまりシビアにならず、1日を通じて食べすぎにならなければよいという考えのほうがストレスなく続けられます」
水は1日1.5L!朝夜で体重を一定に
夏は血栓を予防するための水分補給もしっかりと習慣化しておくのが大切。
「人体の半分以上は水分ですから、水分が不足すると如実に体重に影響します。例えば、起きたてに体重が500g~1kg減っていたら寝汗で水分が出ている証拠。水分をとってから1日の活動を始めてください。“痩せている!”と喜ぶのは、要注意です」
10種の栄養成分を意識してとる!
健康のためには栄養バランスのよい食事が基本だが、とりわけ血管のためには、10種類の栄養素を意識してメニューを考えるのが池谷流。
例えば、(1)EPA・DHAを多く含むアジやサバなどの青魚は、中性脂肪値を下げるだけでなく、抗炎症作用が働いて動脈硬化のリスクを下げるので、積極的に食べている。
「夏にぴったりのレシピを挙げるなら、青魚のカルパッチョ。スライスした玉ねぎをのせれば、なおよし。玉ねぎには、抗酸化作用がある(2)ケルセチンが多いので最高の一品になります。暑い日でもさっぱりと食べられますよ」
ほかには、チーズや米麹などに含まれる(3)LTP(ラクトトリペプチド)、トマトや納豆、チョコレートなどに多く含まれる(4)GABAは血圧の上昇を抑える。
「ココアなどに多い(5)カカオポリフェノールは血糖値の抑制に効果があります。おやつに高カカオチョコレートを選べば、GABAとカカオポリフェノールの両方を摂取できるのでよいですね」
血管のダメージを防ぎ、健全な状態に導いてくれるのは、トマトなどに含まれる(6)リコピン、赤ワインに代表される(7)ポリフェノール、ブロッコリースプラウトやブロッコリーに含まれる(8)スルフォラファン。
また、ビタミンB群の一種で、レバー類や海藻類に多い(9)葉酸も動脈硬化の予防になる。
「腸内環境の改善はストレス低下につながるため、(10)食物繊維も欠かせません。糖や脂質の吸収を穏やかにしてくれるもち麦を白米と混ぜて食べるのもわが家の定番です」