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湿度や気温が上昇する夏は、細菌性の食中毒が発生しやすい季節。
「腸内環境を整えることが、食中毒菌の感染防御につながります」
教えてくれたのは1万2000人の腸を調べた研究者で薬学博士の國澤純さん。
「お弁当に梅干しを入れると腐りにくくなるように、腸内が酸性になると病原体や悪玉菌が苦手な環境になります。カギを握るのは“短鎖脂肪酸”。食物繊維をエサとして腸内細菌がつくり出す酸性の物質です。
腸の中を弱酸性にし、腸の粘膜を保護してウイルスや病原体などの侵入を防いだり、ぜん動運動を活発にして排便を促す働きがあります」(國澤さん、以下同)
菌の連携プレーで健康効果を最大化!
では“短鎖脂肪酸”が機能する元気な腸のために何を食べるべきか。発酵食品や野菜は強い味方になるが、別々よりも一緒にとることで菌の力を余すことなく発揮する。
「例えば、納豆と玉ねぎを一緒に食べると、短鎖脂肪酸(酢酸、酪酸、プロピオン酸)を増やす効果が上がります。
まず、納豆菌の酵素が玉ねぎの食物繊維やオリゴ糖から“糖”をつくり、それを材料にして腸にいる乳酸菌やビフィズス菌が“乳酸”や“酢酸”をつくり、それをまた材料にして腸内細菌の酵素が“プロピオン酸”や“酪酸”をつくります。短鎖脂肪酸は複数の菌がリレーのように分業して生み出しているのです」
腸にいい菌を含む発酵食品と、菌が好む食物繊維やオリゴ糖を一緒にとりつつ、さらにビタミンB1を含む豚肉や玄米などの食材を追加すれば、短鎖脂肪酸の産生を助けながら免疫力アップも期待できる。