目次
Page 1
ー 清少納言役に称賛の嵐
Page 2
ー 定子の苦悩を書き残すわけがない
Page 3
ー マブからの軋轢『紫式部日記』には悪口 ー 令和の『枕草子』を書くなら……

「“紫式部(まひろ/吉高由里子)が主役の物語での清少納言? ほ、本当に!?”という驚きが何より大きかったですね。自分だったら注目する役。ライバルとして不足のないようなキャラクターになればいいなと思いました」

清少納言役に称賛の嵐

 初の大河となる『光る君へ』で清少納言(ききょう)役が決定したときの気持ちを、ファーストサマーウイカはこう語った。

 当初は多くの人同様に、その名や『枕草子』は授業で学んだ程度、実際にどういう人物なのか深くは知らなかったという。しかし『枕草子』を筆頭に、関連資料を多数読み進める中で、

「非常ーに自分と考え方や表現の仕方が近い人物だと思いました。大河ドラマの登場人物を演じて“自分のことみたい”って言う方、なかなかいないと思うんですけど。例えば“徳川家康、マジで自分そっくりです”とか(笑)。

 最近、SNSでは“生まれ変わり”と言っていただくこともあり、“いやいや、言いすぎでしょう?”とも思わない、というか(笑)。かもしれない、くらいの親近感を持っています」

中宮・定子のもとに初めて出仕したききょう。定子の高貴な美しさにうっとり(15回)
中宮・定子のもとに初めて出仕したききょう。定子の高貴な美しさにうっとり(15回)

 多くの歴史漫画で描かれたその顔は“私じゃん”。共感できないセリフは皆無。“この場面ではそれ以外、なんて言うの?”と思うほど、清少納言と自身が重なった。知るほどに“ほぼ自分”。気づけば、プレッシャーは消えていたと振り返る。

「『枕草子』には数々のエピソードがあるけれど、すべてを額面どおりには受け取らないようにしていて。普段から私は自伝とかエッセイは疑って読んでしまう。例えばブログとかSNSでも“ええかっこしい”な言葉選びや書き方をすることってあると思うんです。オシャレに締めたいとか(笑)。

 何か一枚まとう瞬間が作家性。“またまたカッコつけて”みたいな(笑)。たぶん、紫式部は書き手としてそんな部分も見抜いていたんじゃないかなぁ」