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と話すのは、葬儀やお墓、終活に関するコンサルティングサービスを行う株式会社ニチリョクの宮崎大樹さん。
「あの世離婚のニーズは、実は昔からあったのではないか、と思います。ただ以前は結婚したら、女性はほぼ強制的に嫁いだ家のお墓に入らざるをえず、そこに選択の余地などありませんでした。
しかし家制度が廃止された現代では、家族をひとまとまりと考える意識も希薄化。個が優先される風潮が広まり、女性がようやくお墓についての希望を口にできるようになったのでは、と思います」(宮崎さん、以下同)
保険クリニックが「帰省やお墓・終活」についてアンケート調査を実施したところによると、女性の3人に1人は夫と同じ墓に入りたくないと回答しているデータもある。
あの世離婚を決めた妻の顔は晴れやか
実際にどんなケースがあるのか、宮崎さんに教えてもらった。
ケース1
夫婦で霊園に来場。夫と妻2人分の納骨を想定した夫婦墓をなぜか2基購入。
「普通に考えれば1基でいいはず。費用も倍かかるのに、なぜ2基も購入するのか訳がわからず、『おふたりのためのお墓ですよね?』と思わず確認してしまいました」
すると妻は夫を指さし〈この人にはさんざん苦労させられたから〉とのこと。〈世間体があるし、子どもたちにも苦労をかけるかもしれないから離婚はしなかったけど、お墓だけは別にしたい〉という動機からの2基購入だった。
「奥様が饒舌(じょうぜつ)に話す一方、ご主人はずっとだんまり。その落差がすごくて、非常に印象に残っています」