今年4月から食品に関する表示ルールが変わったのをご存じだろうか。 食品メーカーが「無添加」や「添加物不使用」と商品パッケージに安易に書けなくなったのだ。
「例えば加工する段階では無添加だとしても、原材料自体に添加物が入っていればそれは完全には無添加とはいえないですよね。健康意識が高まるなか、消費者の誤解を招かないよう、より慎重な表示が求められ、ガイドラインが厳しくなりました」
そう話すのは加工食品ジャーナリストの中戸川 貢さん。食品添加物との上手な付き合い方、安心な食品の選び方などを各地で講演している。
“無添加”や“〇〇不使用”という表示に規制
「食品添加物は食中毒を防ぐほか、いろいろな利点があります。忙しい現代、すべてを手作りするのも限度があり、ある程度の摂取は仕方がありません。
しかし、その食品は何からできていて、何が添加されているのか、原材料表示を見て自分で判断していくことはとても大切です」(中戸川さん、以下同)
そこで示したのが、注意すべき添加物。なかでも人工的に合成された甘味料と着色料には注意を促す。
「甘味料は腸内環境への悪影響、着色料は発がんの危険性があるといわれています」
分類上は食品添加物ではなく「食品」扱いになり、一見すると“天然由来っぽい”が人工的な成分があることも知っておきたい、という。
「例えば、タンパク加水分解物。無添加表示の商品に含まれているのをよく見かけます。大豆、トウモロコシ、小麦などの食品素材から作られている人工的なうま味調味料ですが、具体的にはなんのタンパク質かまでは表示義務がありません。
そして酵母エキス。これも味や風味を加えるもので自然な作り方のものと、そうでないものの2つがあるのですが、どちらも表示名が同じなので、原材料表示で見分けることが難しい。メーカーによってはホームページで公表しているところがあるので、チェックしてもいいですね」