「起きてすぐの白湯」は絶対にNG
次に、盲点なのが“舌みがき”だ。
「歯周病菌は嫌気性菌といって、酸素を嫌う性質があります。舌の上は溝があるため酸素が届きにくく、歯周ポケット並みに居心地のいい場所。そのためいちばん細菌が繁殖しやすい場所でもあります」
普段からまめにみがくべきだが、舌の表面が白い苔状になっていたら危険のサイン。
「それは“舌苔”といって、舌で増えた細菌などが堆積してできたもの。細菌は寝ている間に舌の上から歯周ポケットに戻るといわれるので、いくら歯のケアをしっかりやっても、舌をみがかないと意味がありません」
また、正しくお手入れをしていてもプラークを完全に除去することは難しく、やがて歯石となってたまっていく。歯石はセルフケアでは除去できないので、歯科医院での定期的なケアもお忘れなく。
一見、無関係に思える口の健康とダイエット。「やせにくくなった」「食べてないのにやせない」と、挫折を繰り返している人は、新たな歯みがき習慣でやせやすい身体を手に入れて。
コレがやせるための新・歯みがき習慣!歯周病リスクをゼロにせよ!
・起床後すぐにしっかり歯をみがく
就寝前は当然だが、太る原因となる歯周病菌は就寝中に増えやすく、朝、歯をみがかずに食べたり飲んだりすることで、食べ物と一緒に身体の中へ入り込んでしまうおそれが。
・歯ブラシは小さめのヘッドを選ぶ
歯ブラシは隅々までみがける小さめのヘッドで、毛先が平らで普通の硬さ、ハンドルがまっすぐのものがオススメ。
・歯間ブラシ、フロス、舌ブラシを使ってみがく
プラークは歯と歯茎の境目にたまりやすい。歯ブラシだけでは落としきれないので、歯間ブラシやフロス、舌ブラシの併用を。
口臭の原因にも! 舌には細菌の塊が潜んでいる! 舌ブラシのやり方
舌みがきをやったことがないという人も多いのではないだろうか。
「舌苔は細菌の塊で、口臭の原因にもなるので、朝一の習慣にするといいです。みがき方のポイントは、この3つ。
(1)舌を思い切り前に出す
(2)必ず奥から手前に一方向に引く
(3)やさしく真ん中を10回こする
また、歯ブラシでのついでみがきは舌を傷つけ細菌を繁殖させることも。必ず専用の舌ブラシを使い、1日に1回だけ行いましょう」(栗原丈徳先生)
栗原毅先生●前東京女子医科大学教授、前慶應義塾大学大学院教授。栗原クリニック東京・日本橋院長。日本肝臓学会専門医。『1週間で勝手に痩せていく体になるすごい方法』(日本文芸社)など著書多数。
栗原丈徳先生●栗原ヘルスケア研究所所長・歯科医師。「予防歯科医療」と「食と健康」をテーマに活動。近著に栗原毅先生との共著で『眠れなくなるほど面白い 図解 血管・血液の話』(日本文芸社)など。
取材・文/荒木睦美