いまや生活に欠かせない“スマホ”。実はスマホの長時間操作が原因で、顔はどんどん老け込むという。「表情筋が衰え、たるみやしわ、肌の弾力が失われます。口臭の原因にもなったりと、スマホ老け顔まっしぐらです」と現役医師がズバッと指摘。毎日の習慣に取り入れられる撃退ワザを、歯科医師で鍼灸師の中城基雄先生がレクチャー。
加齢とともに小じわやほうれい線、肌のたるみなどが気になり、「鏡を見るのが嫌になる」というのは、多くの女性に共通すること。
表情筋のたるみが加速
「中には年齢以上に老け込んでしまう人もいますが、その原因のひとつに、実はスマホの使いすぎがあります」
と指摘するのは、歯科医師で鍼灸(しんきゅう)師の中城基雄先生。
「スマホを使っているときは、誰とも会話をしないので『無言』になり、画面を凝視することで『無表情』になります。つまり、表情筋を動かさず顔面が長時間フリーズした状態に。
顔面の筋肉は大きく分けて咀嚼(そしゃく)筋と表情筋という2つの筋肉で構成されます。咀嚼筋は食べものを食べるときなどに動かしますが、表情筋は笑ったり会話をしたりしないとまったく動かない筋肉。
筋肉は使わないとやせ細るので、スマホに集中している状態が続くと、表情筋がやせて縮んで小じわができたり、筋肉のハリがなくなることで、ほうれい線が目立って老け顔になっていくのです」(中城先生、以下同)
口臭のキツさが老け顔のサインに
中城先生いわく、小じわやたるみが目立ってきたときには、すでに表情筋が弱り切っているサインだという。
「筋肉は、例えば病気で寝込むなどして長時間使わないと、1日で3~5%も萎縮し、筋力が低下します。これを廃用性筋萎縮といいます。
スマホの長時間使用による顔面フリーズ状態を続けると、特に頬、口まわり、あごの筋肉が廃用性筋萎縮を起こしがち。そうなると最初に述べたように小じわやほうれい線が目立つようになり、同時に筋肉がハリを失い肌がたるんでくるのです。
足腰の筋肉が衰えれば、転倒しやすくなるといったわかりやすい変化が起こりますが、表情筋は関節の構造を持たないため、衰えによる動作の変化が起こりにくく、小じわやたるみなどが出てきて、初めて衰えに気づくのです」
こうして年齢以上の老け顔を招いてしまうというわけだ。
「特に50~60代の女性は更年期も含めて体質が変わってきます。東洋医学でいう陰虚と呼ばれる乾燥体質になると、皮膚などに潤いがなくなります。こうした体質の変化に加えてスマホの長時間使用という生活習慣が、肌の衰えを助長してしまうのです」