1位はまさに「光る君」
続いて道長の次兄、藤原道兼を演じた玉置玲央(39)が3位に。長兄の道隆(井浦新)にすべてが及ばず、父親からの愛に飢えている。
「まひろの母親を何の理由もなく殺すなど貴族ゆえの傲慢さ、横暴さが衝撃的でした。玉置さんはクズ役が多くて、2020年放送の『恋する母たち』でも不倫をする夫役でした。脚本は『光る君へ』と同じ大石静さんで、当時から玉置さんに目をつけていたのでは。道兼は父親から認められたいのに、汚れ仕事ばかり。悪人ならではの色気や哀れさがあり、魅力を感じました」
2位は藤原実資に扮する秋山竜次(46)。道長の先輩格で、たとえ相手が帝であっても、臆せず諫言する宮廷のご意見番的存在だ。
「大石さん念願のオファーだったそうです。出てくるとちょっとしたコント感があって、ドラマの中でいいアクセントになっていました。『クリエイターズ・ファイル』と同じで、憑依するように演じられるのだなと思いました。恰幅の良さも時代劇に合っていて、これからも大河ドラマに呼ばれるのでは」
そして“最優秀俳優賞”に輝いたのは一条天皇を演じる塩野瑛久(29)。道隆の長女である定子を寵愛するが道長の長女・彰子(見上愛)も入内し、政争に巻き込まれる。
「光る君はまさに塩野さんのことではないかと。ビジュアルに説得力があり、たおやかで見目麗しい平安装束の帝役がドンピシャ。一条天皇は笛の名手で実際に塩野さんが吹いた笛の音色も使われていました。定子への一途な愛、彰子への優しさもパーフェクトで、『源氏物語』の光源氏役も塩野さんにやってほしいです」
彼らにとって『光る君へ』が“出世作”となるだろうか。