女性に人気のデザートドリンクは要注意

 タンパク質やビタミン、ミネラルなど、身体に必要な栄養素を多く含んだ玉子。がんとはどういった関係があるのだろうか。

2017年に発表された日本人を対象とした研究では、30歳以上の4686人の女性を15年間にわたって調べた結果、玉子を1日に1個食べるグループに比べて、1日に2個以上食べるグループでは、がんによる死亡リスクが3.2倍になっていたというデータも ※写真はイメージです
2017年に発表された日本人を対象とした研究では、30歳以上の4686人の女性を15年間にわたって調べた結果、玉子を1日に1個食べるグループに比べて、1日に2個以上食べるグループでは、がんによる死亡リスクが3.2倍になっていたというデータも ※写真はイメージです
【写真】「ホイップ多め」は要注意……主な乳製品に含まれる脂肪分の一覧表

「海外で行われた研究では、玉子をもっとも多く摂取するグループともっとも少ないグループを比べて心血管病、心臓病、脳卒中、呼吸器疾患による死亡リスクに差はありませんでしたが、がんによる死亡リスクだけは、およそ20%高くなっていました」

 ただ、この研究は世界中のさまざまな人種のデータだという。日本人ではどうなのか。

「2017年に発表された日本人を対象とした研究では、30歳以上の4686人の女性を15年間にわたって調べた結果、玉子を1日に1個食べるグループに比べて、1日に2個以上食べるグループでは、がんによる死亡リスクが3.2倍になっていました。

 アメリカ人の研究でも玉子の摂取量が増えると、がんによる死亡リスクが高くなっているので、玉子は1日に1個までにするのが賢明だと思います」

 玉子を原材料に多く使っているマヨネーズの食べすぎも要注意だ。

 続いて乳製品。

 最新の研究で2000人以上の大腸がんの患者さんを調べたところ、乳製品のなかでも脂肪分の少ない“低脂肪タイプ”の摂取量が多いグループは再発リスクが40%低下していたのに対して、一般的な乳製品だと摂取量が多いグループは、大腸がんの一種である結腸がんの再発リスクが60%増加していたという。

「同じ乳製品でも脂肪分によって真逆の結果が出ているので、乳製品のがんリスクは脂肪分がカギを握っていると考えてよさそうです。牛乳やヨーグルトを毎日摂るなら低脂肪タイプをおすすめしますが、生クリームやホイップクリームといったクリーム類やバターはどうしても高脂肪になりがちなので摂りすぎ注意です。

 特に、チェーン展開しているコーヒーショップなどではホイップクリームがたくさんのった甘いドリンクがとても人気だといいます。なかには毎日必ず飲んでいる人や、ホイップを増量する人もいるとか。ホイップクリームを毎日のように食べすぎるとがんのリスクが確実に高まるので、ぜひ気をつけていただきたいです」

 食事やおやつは365日、毎日の習慣。食材選びやメニュー選びなど、少し意識するだけでがんのリスクは変わる。摂りすぎ注意な食材と上手につきあっていきたい。

佐藤典宏先生●がん専門医。九州大学医学部卒、帝京大学福岡医療技術学部教授。著書に、がんのリスクを下げてくれる“抗がん食材”を使ったレシピ集『がんにも勝てる長生き常備菜』、『がんにも勝てる長生きスープ』(主婦と生活社)などがある。

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