リピーターも少なくない献血
「貧血や低血圧になったことがあったり、健康状態に自信がなくて献血ができないと思い込んでいる人もいますが、血漿(けっしょう)や血小板だけを採血する『成分献血』であれば、すべての成分を提供する『全血献血』よりも血色素量の基準が低く、身体への負担も少ないので、献血ができる場合もあります。
この血漿を原料とした免疫グロブリン製剤などの『血漿分画製剤』の需要が現在は高まっており、必要量は1.3倍に増えているんです」
提供された血液がどう使われているか、それを知れば献血への意識は変わるのでは、と森田先生。
「献血をした血液のうち、ケガなどの治療で使われる血液はわずか3%ほど。残りは、がんや白血病、心臓病、肝疾患などの病気の治療に生かされています」
日本人の死亡原因第1位であるがんや高齢者が罹りやすいという病気の治療でも、輸血が不可欠だ。超高齢社会となった日本で、献血は誰にとっても“無関係”とはいえない。
また「ラブラッド」の血液検査サービスでは、医療用検査と同等の方法で測定した検査結果を閲覧できる。2009年から「糖尿病関連検査」が開始されており、自覚症状のない糖尿病予備軍を見つけられる可能性も。

忙しく、健康診断がおざなりになってしまう人ほど活用してほしいと、森田先生は語る。
「献血は、誰かのためという面とともに、自分自身の健康維持に役立てられる一面もあります。確実に人の役に立てるので、やりがいや喜び、満足感が得られ、自己肯定感を高めることにつながるのでリピーターも少なくない。手軽な社会活動だと考えてみてはいかがでしょうか」
冬から春先にかけては、風邪や花粉症により献血者が最も減ってしまう時期。今は事前にネット予約することもできるので、ぜひ一度、近くの献血ルームの情報をチェックしてみて。

お話を伺ったのは……森田 豊先生●医師・医療ジャーナリスト。医師として診療に従事しつつ、各種メディアで現代の医療問題への提言などを活発に発信している。東京上野ライオンズクラブにて献血促進活動に従事。
取材・文/オフィス三銃士