「そもそもイギリス人は“裸ネタ”が好きなんです(笑)。『Naked Attraction』というお見合い番組があるのですが、この番組では隠れているのは顔だけで、全裸状態─つまり、身体的特徴のみを判断基準にパートナー候補を探します。

 信じられないかもしれませんが、完全無修正で局部もそのままテレビに映っています」
(谷本さん、以下同)

裸ネタ以上に衝撃的なイギリスの番組も

 他にも、既婚カップルが他の異性らと「スウィンギング」(夫婦交換および乱交)を行うことで、それが刺激になって元のカップルの関係がよくなるかどうかを実験するという『オープンハウス』なるリアリティー番組も人気だそう。

 いくらなんでもオープンすぎると思うのだが、こうした番組が普通に民放局で放送されているというのだから世界は広すぎる……。

社会的に意義がある番組を制作し放送するという名目で電波使用が許可されており、多様性の一環という位置づけなのですが、こうした言い分が欧州全土ですべて許容されるわけではありません。

 例えば、昨年開催されたパリ五輪の開会式は多様性を謳ったものの、『キリスト教を冒とくしている』という理由から全世界で大炎上しました」

元国連専門機関職員で、海外居住・就業経験も豊富な谷本真由美さん
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 中でも、レオナルド・ダ・ヴィンチの15世紀の名画『最後の晩餐』のパロディーシーンが非難の的となったが、「フランスは宗教などのタブーを冒とくすることが合法であるだけでなく、表現の自由の重要な柱と見なされている」と谷本さんは説明したうえで、

「世界中の人が見ることに鑑みれば“やりすぎ”です。風刺やパロディーであったとしても、フランス人以外からは悪趣味にしか見えない」
 
 とバッサリ。自己主張が激しすぎる演出は、世界から反感を招くだけというわけだ。