「苦手、時間がない、というなら、家族に頼るのもあり。家事を自分で抱え込む必要はありません。年を重ねていくと自分を取り巻く状況も変わるので、その都度、ベストな方法を見つけて、気持ちよく家事に取り組んでみてください」

収納の「見える化」の利点

1 捜す手間が省ける
2 出し入れしやすい
3 ものの量を把握できる
4 重複買いを防げる
5 家族も把握しやすい

田中さん宅のトイレ棚

トイレの収納は、オープン棚。トイレットペーパーの在庫がひと目でわかる

田中さん宅の台所下

田中さん宅のキッチンのシンク下は、扉を外したオープン棚。毎日使う鍋類やざる、ボウルを出し入れしやすく配置。洗ったあとに片づけやすいのも利点で、そのうえ湿気がこもらない

「フレッシュローテーション」でタオルや布をまんべんなく使う


例えば毎日使うふきんやタオルなら、洗った順に使い回せるように洗濯したものを奥へしまっていきます。ぐるぐる回してまんべんなく使うことで持ちがよくなり、置き場所も清潔に保てて一石二鳥です。

片づく住まいに必要な条件

・家と物量のバランスが取れている ・収納の場所が、暮らしのなかの適材適所にある ・収納しているものが、出し入れしやすく機能している ・片づけが習慣化されている ・家族で片づけのルールが共有されている

撮影/鈴木真貴

『60歳からの暮らしがラクになる 住まいの作り方』(主婦と生活社)

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片付けの目的は、きれいにすることではなく、自分の時間をもっとラクして作るため。40年間、個人住宅を手がけてきた住宅設計者であり、「生活を積極的に楽しむこと」がモットーの一級建築士、田中ナオミさんが実践する、考えずにできる住まいワザを収録。

田中ナオミさん 人家づくりの会会員、(一社)住宅医協会認定住宅医。徳島県出身。女子美術大学短期大学部造形学科卒業後、エヌ建築デザイン事務所、藍設計室を経て、1999年「田中ナオミアトリエ一級建築士事務所」を設立。