恐ろしい予言を伝える理由
『仏教コード』には、大地震や食糧危機、さらには地球滅亡の予言まで詳しく書かれている。なぜ、三木住職はこのような予言を伝えようとするのか。
「仏教には『末法の時代』という概念があります。今がまさにその時代で、お釈迦(しゃか)様は『三災七難』が起こると説かれました。三災は自然現象なので止められませんが、七難は疫病や侵略、テロなどの人災です。これは変えることができるのです」
住職は続けてこう語る。
「今、全国でお寺の数はコンビニ以上あるというのをご存じですか。それなのに災難が起こるのはなぜか。それはお経が世界のために読むものではなくなっているからです。自分だけ気持ちよく読んでいたり、意味を理解せずに読んでいるお坊さんが多い。
人生も同じです。自分のためだけに生きるのではなく、人のために生きることができれば、三災七難を避けることができる。これもお経の中に書いてあります。大谷翔平さんは、球場のゴミを拾っていますよね。周囲の方や環境にも感謝しているとのことです。
私の予言は恐怖を煽(あお)るためではなく『生き方を見直せば、未来を変えられる』ということを多くの人に知ってほしいから。それが本書『仏教コード』の大きなメッセージでもあります」
住職は、大地震は2025年に起こると読み解いている。もし何も起こらなければ、お経の予言が外れたことになるのだが。
「私は“当たる予言”をするのではなく、“未来を変えるため”に話しています。もし何も起こらなければ、それは私たちが感謝しながら人のために生きた結果です。『三木大雲の予言は嘘だった』と言われても構いません。災害を防げるなら、それが本書出版の成功なのです」

三木大雲(みき・だいうん)●京都の寺院の次男として生まれる。各地の寺院で修行を積み、2005年、京都の光照山蓮久寺の第38代住職に就任。怪談を切り口にしたわかりやすい「怪談説法」を確立。テレビやラジオ出演のほか、YouTubeでの発信、講演会などで活躍中。著書に『お経から読み解く未来予言 仏教コード』(Gakken/税込み1595円)。
取材・文/浦上 優