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三春町での両陛下。陛下が美智子さまの手をとりいたわり合いながら……(3月16日)

 5年前の震災直後から始まった天皇・皇后両陛下の被災者へのお見舞いと激励。

 震災の年には避難所と被災地を合わせて7週連続で回り、静養や私的旅行のときも被災者を励まし続けられた。宮内庁関係者が話す。

「陛下は、'03年には前立腺がんの手術を受け、'12年には心臓の冠動脈の手術を受けられ、80歳を越えました。

 そんなお身体で、被災者に尽くされる姿をいちばんそばで見ながら、美智子さまは気が気ではなかったと思います」

 今回の東北ご訪問直前となる2月27日に発熱を伴う風邪の症状があり、28日の夜にインフルエンザA型との診断を受けられた陛下。

「美智子さまは感染のリスクがありながらも、時折、マスク姿で陛下を看病されました。

 やはり、5周年の追悼式と今回の東北訪問が控えているなかで、陛下の被災者を思うお気持ちを誰よりもご存じなので、心配されていたのだと思います」(同・関係者)

 美智子さまのご体調も、決して万全ではない。宮内庁担当記者が説明する。

「皇后さまは、数年来の持病となっている左肩から左腕の頸椎症性神経根症による痛みがあります。さらに胸痛もあり、昨年8月に心臓の検査をし、冠動脈3か所に動脈硬化が認められるなど、心配な状況は続いています」

 今年1月には高温多湿のフィリピンを訪問し、4月には神武天皇没後2600年の式年祭で、奈良県などを訪問されることになっている陛下と、それをお支えする美智子さま。

 ある皇室ジャーナリストも、こんな証言をする。

「かなり注意深く見ないとわかりませんが、最近の美智子さまは右足を少し引きずっているように思います。

 今回の東北ご訪問の際も、東京駅から新幹線に乗車するときに陛下が先に乗り込み、美智子さまを支えているように見えました」

 実はその直前、10時48分発の専用列車に乗るため、両陛下は東京駅の21番線ホームに向かったが、自らの足で49段ある階段を上られていく姿があった─。

 エスカレーターも使えるはずだが、途中に踊り場が2か所ある、約50段の長い階段をわざわざ利用された“満身創痍”の両陛下。

 “予定外”の行動というわけではなかったようだ。

 前出の皇室ジャーナリストが説明する。

「いつも東京駅では、手すりを使わずに、階段中央に陛下が先頭になり、数歩後ろの美智子さまを気にしながら、1歩1歩ゆっくりと上がってこられます」

 ホームに現れると、息を切らせることもなく、陛下の腕をとりながら、居合わせた人々や報道陣に笑顔をお見せになった美智子さま。

 いくつものご予定が組まれている旅の直前にもかかわらず、階段をお使いになる「考え」とは─。

「両陛下は国民や被災者への思いを込めながら、1段1段踏みしめて、階段を上られているのではないでしょうか。

 80歳を越えた両陛下がそうまでして被災地にいらっしゃるので、東北の人たちも歓迎し、励まされるのだと思います。50段近くある階段を手すりも使わず上られることは、驚異的なことです」

 そう目を見張るのは、皇室を長年取材するジャーナリストで文化学園大学客員教授の渡辺みどりさん。

 両陛下と同年代の渡辺さんは、「運動」も兼ねていたのではとみる。

「高齢者は、常に動くくせをつけておかないと、すぐに身体が固まってしまいます。

 美智子さまが御所でのテニスや朝の散歩で陛下に付き添われているのは、“動きながら治す”というお考えがもとになっていて階段利用も、その一環なのかもしれません」

 両陛下の運動といえば昨年、毎朝の散策の際、途中3か所の合計約300メートルで、軽めのジョギングをする「スロージョギング」をされているという発表もあった。両陛下はあらゆる機会を利用して、「身体づくり」を心がけているのかもしれない。