新ドラマでは不動産の社員を演じる

高橋一生 撮影/伊藤和幸
高橋一生 撮影/伊藤和幸
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 そんな『民王』の貝原をヒントに漫画家の池辺葵が描いたのが、『プリンセスメゾン』の伊達政一。ドラマ化にあたり、高橋が演じることになった。

「池辺さんがヒントにしたキャラクターなら、貝原っぽい演技を提供すべきだし、かといって同じモノを演じるつもりはありません。なので、どれだけ差異を出せるかは意識していました」

 伊達を演じるうえで心がけているのが、その立ち姿。

「ちょっと猫背でいることを意識しました。そういうところから感化されるものはたくさんあって、タバコの持ち方を変えるだけでも、いつもと違うエフェクトがかかるんです」

 26歳で独身、携帯電話すら持たない質素な暮らしをする居酒屋勤務のヒロイン・沼越幸(森川葵)がマンションを買うという無謀にも思える目標に向かって頑張る姿を描いた今作。自身も家の購入には興味があるそうだ。

「欲しいけど、都内に買うべきか悩んでいて。結婚もまったく考えていないし、山登りが好きなので、ログハウスでも建てたいなと」

 その厳しい言葉とは裏腹に、ヒロインをどこか温かく見守る大手不動産の社員を演じる高橋から、最後にこんなメッセージが。

「見ている方が沼越さまだと思って演じています。このドラマを見て、こんなに他人のことを思いやってくれる人に出会いたいな、世界は優しいと信じてもらえたらうれしいです」

 そう言ってニコッと微笑んだ。この秋、女性ファンがさらに増えそうだ。

■『プリンセスメゾン』プロデューサー・出水有三さんが語る高橋一生

(c)NHK
(c)NHK

「制作会社スタッフに高橋さんの名前をあげてもらって、今回演じる伊達のキャラクターにはピッタリだと思いました。打ち合わせのときのようなオフの姿のたたずまいも伊達っぽいなと思いました。

 高橋さんの役者としての魅力は、ちょっとした動きでいろんなことを表現できるところ。オーバーアクションでなくても、これだけいろいろ演じ分けできるのはさすがだなと思います」

プリンセスメゾン(NHK BSプレミアム)
毎週火曜、夜11時15分〜(全8回)