気配りの美学とは
「身体の具合が悪いことを人には見せたくない、と思っていたようですね。入っていた仕事を全部こなした後、海外ロケに行くと言って入院しました。人に弱みを見せない人なんです」(芸能プロ関係者)
病気でも、決して悲観的にはならない。'09年の『週刊女性』のインタビューでは、自然体の闘病生活を語っていた。
《大好きなワインも食べ物も意識して控えたりしていません。やりたくないことはやらず、体調を見ながら自然に生活するのが元気の秘訣です》
胃ガンが治ってひと月後には鮑のステーキを食べに行ったというマイペースぶりだ。しかし、周囲の人間はどうしても心配してしまう。
「藤村さんは、'96年に28歳年下の元タレント・長尾みか代さんと再婚しています。当時は自律神経失調症で、睡眠薬を飲まないと眠れない状態でした。それなのに、彼はお酒を控えることをしなかったみたいで、みか代さんは薬とお酒を併用するのをとても心配していましたよ」(みか代さんの知人)
2月1日に行われた会見で、みか代さんとは'13年に離婚していたことが長男の亜実さんから明かされた。療養中の藤村さんを支えたのが亜実さんで、近所の喫茶店には親子で連れ立って訪れていたという。
「1年くらい前までは、月に数回来られていましたよ。息子さんとも来ていましたね。お飲みになるのはブレンドコーヒーで、深煎りのコーヒー豆をよくお買いあげいただきました。
ただ、ここ最近は体調が優れなかったのか、お店には来ていませんでしたね……。藤村さんの代わりに息子さんやスタッフの方がコーヒー豆を買いに来てくださいました」(喫茶店スタッフ)
亜実さんは子どものころに父に叱られた記憶があると話していた。“家で勉強するな。家で勉強すると頭の悪い子に産んだように感じるからやめろ”と言われたのだ。
「このセリフは、もとはといえば藤村さんのお母さんのものですよ。幼いころにそう言われてから、おヒョイさんは頻繁に外へ遊びにいき、仲間を見つけたそうです」(前出・スポーツ紙記者)
しかし、その教えを“本当に正しいのだろうか”と葛藤した亜実さんは、最終的に、「親父のようにはなれない」と悟ったという。どこまでも飄々とした彼だからこそ、できた生き方なのかもしれない─。