ドラマやCMで活躍するタレントたちの体形に憧れるのは世の常。しかし、度が過ぎると思わぬ危険が。キラキラなネーミングの陰に潜む、健康リスクとは─。
「元AKB48の小嶋陽菜さんが理想の体形です。友達もみんな、彼女みたいになりたい、って“シンデレラ体重”を目指してダイエットしています!」(10代女性)
若い女の子たちに人気の、スリムでメリハリのある体形。そんな体形になるために、彼女たちが目指しているのが“シンデレラ体重”─。これは、身体ラインが最も美しく見えるための体重なのだという。“ぽっちゃり女子”というタレントも人気になったが、スリムな体形に憧れる気持ちはいつの時代も変わらないよう。
指標となる体重は、身長(m)×身長(m)×20×0.9で求められる。例えば、160cmの人だと、1.6×1・6×20×0.9で、46.08kg。しかし、日本肥満学会が肥満などを判断する基準とするBMI指数、BMI22の標準体重と比べると、“シンデレラ体重”は約10kgもマイナスとなり、実はやせすぎの部類になってしまうのだ。
「私のところにも、モデルの方がダイエットの相談に来られたことがあります。十分にスリムなのですが、もっとやせたいと……。仕事だからしかたのないことなのかもしれませんが、若いときから無理なダイエットをすると、さまざまなリスクを抱え込んでしまうんです」
こう話すのは、一般社団法人・大人のダイエット研究所の岸村康代代表理事。最近、話題になっている“シンデレラ体重”を目指す女性に警鐘を鳴らす。
「モデルさんや、タレントさんのスリムな体形に憧れる気持ちはよくわかります。でも一切、食事をしないといった極端なダイエットをすると将来、自分が望まない影響が出てきてしまいます。
例えば、ホルモンバランスが崩れることで、骨粗鬆症や月経痛の原因になったり、抵抗力、妊娠率の低下、低体重児の出産や、早産などさまざまなリスクが高くなります」(岸村代表、以下同)
そして、そのリスクは自分だけでなく子どもにも影響を与えるという。
「生まれた子が将来、肥満になるリスクが高まり、孫の代、3世代先まで影響してしまう可能性もあるのです」