ノーマネーデー(以下、NMD)とは“お金をいっさい使わない日”のこと。もちろん、クレジットカードや電子マネーも使用不可(ただし、仕事場に行く交通費や家賃、水道光熱費を除く)。

「たまたま、お金を使わなかった日というのは誰にもあると思うのですが、それとは違い“意図的にお金を使わない日”を作ることが大切です」

 そう話してくれたのはマネーコンサルタントの市居愛さん。意図的にお金を使わないことで、普段、どれだけ自分が意識せずにムダ遣いをしているかに気がつくという。例

えば、帰り道にあるコンビニでなんとなくアイスやお菓子を買ったり、歩ける距離でもタクシーに乗ったり、ちょっとひと息とカフェに入ったり。その人ごとにムダ遣いのクセがあり、NMDを続けることで、それを自覚して自らブレーキをかけられるようになっていく。

「1回に数百円程度の出費でも、回数を重ねると意外と大きな金額になっています」

 マイボトルに好きな飲み物を入れて、手作り弁当を作る。自転車や徒歩で移動。図書館や公園などお金のかからない時間の過ごし方を考える。

「普段と違う暮らしをすることで新たな生活スタイルが発見できるのもNMDの魅力のひとつです」

まずは週1回から始めてみよう

「そもそも人間は買い物したい生き物なんです。うれしいことがあったら“今日は買い物しちゃおう”となる。逆にストレスがたまっても今日は買うぞって思いません?」

 つまり買い物を我慢するのは、多くの人にとってストレスになるということ。嫌なことはなかなか続かないのが人間というもの。そのストレスをさほど感じることがなく、ゲーム感覚で楽しめて、小さな習慣で続けやすいのがNMDというわけ。

「最初は週1ペースで始めてみてください。当日は節約ゲームをクリアする感覚で楽しんで。仮にできなくてもOK。ズボラにやっていけばいいんです」

 例えば食費や娯楽費などで、普段1日に2000円使っている人が、そのお金を月に4回使わないだけで月に8000円、1年続ければ約10万円の節約に。もし、途中で失敗しても、いつからでも何度でもやり直せるのもいいところ。最終的には週3回を目標にしましょう。ここまで達成できた人は、節約意識がだいぶ高まっているので、

「月曜日に6000円でその週のおおよその買い物をすませる、水曜日と土曜日に3000円で足りないものを買い足す。このように金額を決めてから買い物に行くと、大きな金額の節約ができるようになります」