1986年から連載がスタートした漫画『ちびまる子ちゃん』。今では『サザエさん』に並ぶ国民的アニメだが、今年、原作35周年を迎えた。これを受け、アニメで『ちびまる子ちゃん原作35周年! あなたの好きな“神回”さくらももこ原作まつり~』が昨年12月5日から今年1月30日まで放送されていた。30日には視聴者投票のランキングが発表され、これを見た視聴者たちはネット上で、
《今日のちびまる子、神回やん……。原作でも本当に泣かされたやつ》
《ちびまる子ちゃん神回ランキング第5位永沢君の家 火事になるで笑ってしまった》
《原作祭りがほんっと神回だらけで面白いし泣ける》
《ランキングわたくしもおかあさんの日の回が大好き。漫画でも大好き泣ける》
など、自身の“神回”を思い出しながら楽しんだようだ。
同作は原作者のさくらももこさんの体験をもとに作られているが、本当にあったことなのか?
たまちゃんは“ショートヘア”!?
漫画の登場人物である“はまじ”のモデルとなった浜崎憲孝さんに、その裏話を聞いてみると、
「1位の『南の島へ行く』など、小学3年生がひとりで海外旅行なんて難しいですよね。
時系列や事実とは違うお話も多いのですが、ここ静岡県清水市(現・静岡市)でさくらが過ごした思い出を盛り込んで、話を作っていたんだと思いますよ」(浜崎さん、以下同)
もちろんフィクションなのは承知のうえだけど、実際はどうだったのか、気になるのがファン心理。
2位にランクインしたのは『たまちゃん、大好き』。
藤木君「僕らって友だちになってずいぶんたつよねぇ」
永沢君「うん。長いよね」
藤木君「長けりゃいいってもんかなぁ、友情って」
まる子のクラスメートである藤木君と永沢君のこんな会話から始まるが、まる子は親友の穂波たまえと、ちょっとしたボタンの掛け違いからケンカをしてしまう。浜崎さんは、
「たまえは本当にいたんですが、小学生のときは眼鏡をかけてなかったし、ショートカットでした。小学校を卒業後は私立中学に進んで、さくらと別々でしたが、高校で再会したと聞いています。今は海外に住んでいるそうですよ。さくらの仲のいい友だちには、アニメにも出てくる“かよちゃん”もいました。大人になってからも、さくらとは年賀状のやり取りをしていて、さくらが売れてから仕事場にも行ったことがあったそうです」
この話では20年後の自分たちに向けてタイムカプセルを埋めるのだが、まる子は大人になって“はまじ”とお笑い芸人をやっていることを妄想する場面もある。さくらさんは漫画家となったけど……。
「僕は若いころに東京に出て、ビートたけしさんや西川のりお師匠に弟子入りをお願いしたことがありました。出待ちして頼み込んだのですが、断られてしまって(笑)」
4位にランクインした『まるちゃん お化け屋敷に行く』について。デパートのイベントで行われていた“お化け屋敷”に、父親のヒロシとまる子が遊びに行くという話。
「市内にあったデパートの催事にお化け屋敷もよく出店していましたよ。入場料は1人300円とかでね。そこにさくらも行ったんじゃないかと思います。ほかにもお墓で肝試しをするエピソードもありましたが、さくらの家の近くには確かに墓があって、そこで僕も中3のときに男友だちと肝試しをしたことがありました」
お化け屋敷といえば遊園地のイメージだけど、当時はデパートでも行っていたようだ。当初は「本当にコレが怖いと思うか?」と妖怪を指さして余裕のヒロシだったが、お化けにおびえる場面もあった。そんなヒロシの姿は本当だったかも。