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 寝苦しい夏の夜。冷房をガンガンにきかせて寝たいけど、夏ほど冷え症に悩まされる人も多いとか……。しかも今年はラニーニャ現象で、例年より猛暑になるそう。そこで、厳しい夏の夜をどう乗り切ればよいのか、睡眠など生活に密着したアドバイスが好評の和奏漢方堂薬店・橋本和也さんに聞いてみた。

■寝る前3分 ツボ押し&ストレッチ

 血液やリンパの流れをスムーズにして、身体全体の巡りをよくするのも快眠の秘訣。そこで、寝る前3分でできるツボ押し&ストレッチを紹介。

「ツボ押しは呼吸も大切。息を吐きながらゆっくりと押しましょう」

 ツボを押すことで、身体の中が温まり、自律神経にもいい影響を及ぼす。

「眠る前に横になってから腹式呼吸をするのもオススメ。ポイントは、お腹をへこませてゆっくりと息を吐き切ることです。吸うほうより吐くほうを意識してください」

 “今夜も寝つけないかも……”という不安が不眠につながることがあるという。

「そんなときは横になるだけでよし。眠れなくても、身体は休まりますから。とにかく“気にしすぎないこと”が不眠解消になります」

1・ツボ押し

・百会(ひゃくえ)

 頭のてっぺんにあるツボ。

「自律神経と直結しているため、さまざまな不調に効果があり、快眠へと導きます。ゆっくり息を吐きながら5秒程度押す、これを3回繰り返しましょう」

・労宮(ろうきゅう)

 手のひらの真ん中にある自律神経を整え不眠の改善に効果があるツボ。

「いくつか押してみて、気持ちいい場所が労宮です。ゆっくり息を吐きながら5秒程度押すを3回繰り返しましょう」

・ゴルフボールでゴロゴロ押し

 ゴルフボールの上に足裏の中心(ツボでいう湧泉)部分を置き、前後にコロコロ転がす。足を手前に引くときは弱く、押すときに強くするのがコツ。

「1~2分、転がします。経脈の流れに沿って圧をかけると血の巡りがよくなります」

2・ストレッチ

・冷え症改善

 肩幅より少し広めに足を開き、つま先は外側に斜め45度開く。中腰になり、手は太ももに当てる。

「2、3分キープ。脚の付け根は強くのばしすぎず気持ちいいくらいでOK。下半身の血流をよくします。就寝前だけでなく、1日数回行って」

・肩こり解消

 両手を組んで後頭部に置き、ひじを左右に開く。ひじは張りすぎないよう注意。軽く手を小さく50回上下に動かしたら、両腕を前にダラリと下げる。

「両腕に血が巡っていく感覚が得られればOK。肩まわりがほぐれて、気持ちよく眠りにつけます」

■不眠に効く食べ方

1・GI値の低いものから順に食べる

 GI値とは血糖値の上げやすさを数値化したもの。白米や麺類などGI値の高いものを先に食べると、血糖値が急上昇。糖分は身体にとって大切なものだが、急激な血糖値の上昇は余分に身体に負担がかかり、身体がだるくなる原因になる。

「葉物の野菜類などGI値の低いものを先に、その後、肉や魚、ごはんの順に食べると、血糖値の急上昇を抑えられます。1回1回の効果は少しかもしれませんが、チリも積もれば山となるんです。初めのひと口は50回噛むのもオススメ。唾液が出やすくなり、胃腸に食事が始まったことを伝えることができて、血糖値の急上昇の予防にもなります」

2・アイスも口で溶かしてから “常温”飲食のススメ

「内臓を冷やすと、働きが低下するだけでなく、自律神経の乱れや免疫力の低下の原因になることも。できるだけ常温のものを飲食してください」

 でも暑いときはアイスなど冷えたものを食べたくなるもの。そんなときは、口の中で温めてから飲み込むことを心がけて。

「味や冷感を楽しみながら、口の中でしっかりと温めてください。口内が冷えて気持ちいいし、内臓も冷やしません」

 身体の外側は冷やしてよし。

「冷えたペットボトルを首やわきの下に当てる。頸動脈を冷やせば、暑さをしのげるはずです。口の中や身体の表面がひんやりすると、脳が気持ちいいと感じて暑さ対策になります」

イラスト/ますみかん