夏旅は価格以上に内容重視の傾向に
前述のアンケートによれば、国内派、海外派ともに夏旅のプランは意外と堅実。
下のグラフのとおり国内の旅行日数では「3日」が半数を超え、予算は「3万~5万円」「5万~10万円」が7割を占める。海外は日数が「4日以上」に集中、予算は「5万~20万円以内」で収めたいという人が約8割。大盤振る舞いはできないけれど、多少の余裕を持って夏旅に臨みたい、と考える人が多いようだ。
旅費は安いに越したことはない、と思いきや「夏旅は価格重視か内容重視か」と尋ねると、3対7の割合で内容重視派が圧勝! 前出の松村さんによれば、
「特に女性は費用対効果を考えて旅を選ぶ傾向にあります。ツアーにしても、ただ値段を比較するのではなく、めったに予約が取れない旅館に泊まれる、絶品料理が食べられる、個人では行けない場所に行けるなど“これならお金を出してもよい”と思えるかどうかで判断しているようです。行き先は同じでも、内容次第ではトータル価格の高いツアーが先に埋まることも」
「価格以外で、夏旅で選ぶポイントは?」という質問には、「宿とグルメ」の回答が飛び抜けていて、「名所・旧跡・世界遺産」が次に続く。
「最近は旅慣れている人も多いので、名所や旧跡をただ回るだけなど、ごく普通のツアーはなかなか売れません。逆に、神社仏閣へ参拝した証を集める“御朱印巡り”や“恐山でのイタコの口寄せ”など変わった体験ができたり、テレビCMに登場するスポットに入れたりと特別感がある“テーマ旅”は盛況です」(松村さん)
実際、テーマ旅に興味がある人は多いよう。アンケートでも、「映画の撮影現場を巡り、キャストと同じ場所・同じ構図で撮影できる旅に行きたい」(20代女性)、「ご当地スーパーを巡る旅。地域によって売っているものが違うし、本当に楽しい」(30代女性)、「ビキニ美女と行く男女共同生活サバイバルツアー」(40代男性)などと、おもしろいプランが飛び出した。
「値段設定が高めの贅沢ツアーは夫婦で。安・近・短にプラスしてちょっとおしゃれだったり、ユニークなテーマが設定されていたりするツアーは、友人同士やおひとりで参加されることが多いです。単純な安さより、払ったお金以上にお得感がある“コスパのよい旅”を求めているのでしょう」(松村さん)