山下「ハプニングといえば、山形県の国民体育大会のときもそうでしたね。

 男が発煙筒を投げつける事件がありましたが、美智子さまは、少し陛下をかばうようにされただけでした。

 何があっても冷静さを心がけていらっしゃるのかもしれません」(写真⑥)

写真⑥陛下をかばうように、思わず手を出された。1992(平成4)年10月4日  
写真⑥陛下をかばうように、思わず手を出された。1992(平成4)年10月4日  
美智子さま珠玉の名シーンと憧れのファッションの数々

松本「私も陛下と美智子さまの動じない姿は記憶に残っています。

 大阪の仁徳天皇陵に参拝に行かれたときに、参道に見物客が押し寄せて、両陛下の目の前にあふれ返ったのです。

 しかし、両陛下にまったく慌てた様子がなかったのは印象に残っています。あれが帝王学なのかもしれません」(写真⑦)

写真⑦人だかりが迫る中、美智子さまはにこやかに……。昭和37(1962)年4月4日
写真⑦人だかりが迫る中、美智子さまはにこやかに……。昭和37(1962)年4月4日

今井「沖縄の火炎瓶事件のときのことも覚えています(昭和50年7月15日)。

 ひめゆりの塔で献花されたときのこと。過激派から火炎瓶を投げつけられたときも、最初は騒然としましたが、すぐにおさまりました。

 両陛下はその後の公務を中止するものと思っていたら、日程を変えずに、そのまま続けられたのはすごいと思いましたね。 

 不測の事態が起きても動じることのないような教育を受けられているんですかね。

 特に美智子さまは民間出身にもかかわらず、さすがすごい方だと思いました」

小島皇室の撮影はたまにそういう決定的なシーンが起こるので、気が抜けないですね。 

 以前、長崎の五島列島に常陸宮ご夫妻の取材に行ったときに公式取材が終わったので、他社のカメラマンと釣りに行ったんですよ。

 すると、ご夫妻がおしのびで海岸にお出かけになったと聞いて、真っ青になりました。

 地元紙が撮影しているかもしれず、資料として地元紙を買うのですが、怖くて持って帰れませんでした(笑)」