気になる身体の不具合、これは老化でしょ!?
 病気的な変化でなく、心身の正常変化。正しく対応すればいいんです。

段差のないところでコケてしまうのですが…

A.視力に合ったメガネやコンタクトが必要です。

 太ももとつま先が十分に上がっていないと、つまずくことがあります。でも、それで転ぶわけではありません。人は歩くときに一瞬、片足立ちになり、身体のバランスをわざと崩します。着地時に崩れた体勢を立て直せればよいのですが、バランス感覚が悪くなると、転んだりするのです。

 その第一の原因は視力です。視覚で私たちはバランスを補正しているのです。まずは、遠くも近くも見えるメガネやコンタクトレンズをつけること。無理に筋力をつけるよりも、よっぽど効果があります。

 トレーニングをしたいなら、目をつぶって片足立ちを15秒。これを毎日続けるだけで、バランス感覚は蘇ってきます。

スマホを見続けるとピントが合わなくなります

A.20代でも起きること。じんわりピントが合えば問題なし

 ピント合わせに必要な筋力の変化が原因です。若い人でも同じようなことが起こりえますから「老化」ではなく「変化」と、とらえましょう。

 予防策としては、目から30センチ先、1m先、2m以上先の3点を、順に見るトレーニングを10回繰り返すのがおすすめ。スマホや読書で疲れたときに試してみてください。

プリントなど軽いものをすぐに落としてしまう

A.皮膚の感覚が薄くなっています。手袋やクリームで保護を

 重いものを落とすのであれば筋力の問題ですが、プリントや新聞紙などを無意識に落としてしまうのは皮膚の感覚が薄い証拠。その感覚は皮膚が潤ってピーンと張っているほど敏感。

 最近は食器用洗剤などの威力が高まったぶん、家事をする人の皮膚には刺激が強すぎる場合があります。洗剤使用時はゴム手袋で皮膚を守り、クリームで保湿を。冬の外出時は手袋を常用しましょう。

近くのものが見えづらい。でも老眼鏡はかけたくない……

A.「近くを見るためのレンズ」であって、老眼鏡とは考えないで

 本格的にトシをとったような気がするので老眼鏡は使いたくないという患者さんは多いのですが、今はスマホ老眼という言葉もあるほどで、20代であっても「近くを見るためのメガネ」を使うようにすすめています。

 特に近視のある人は、遠近両用のメガネやコンタクトを早めに作ってください。早い段階であれば、遠くも近くも見やすく、目の負担も減らせます。症状が進むと、手元用と遠く用に、メガネを分けざるをえなくなり不便です。メガネをかけ替える動作は年寄りくさく見えますから、ぜひ早めの対処を。