骨は“叩いて”強くするのが効率的
骨卒中の怖さがわかったところで、ぜひ取り組みたいのが骨の強化。
「牛乳やサプリでカルシウムをとっているから、筋トレをやっているから大丈夫と思いがちですが、それだけでは強い骨は作れません」
と話す、若々しい身体を取り戻す「リバースエイジング」の専門家として知られる骨の専門医・中村光伸先生。
「骨を強くするには、材料となるカルシウムなどの補給とともに“骨を強くせよ"という作業指示を出す必要があります。そのひとつが骨への刺激です」
そこで中村先生が考案したのが、1日1分、骨をコツコツたたくだけの『骨たたき』。
「骨の強さは骨を作る“骨芽細胞"と壊す“破骨細胞"の働きのバランスによって変化しますが、刺激を与えると新陳代謝が活発になります」
これまでにも骨を刺激する方法はいくつか提唱されてきたものの、より簡単に効率よく骨を振動させるやり方を、実験を重ねて模索。
「“ひざコツコツ"はテレビを見ながらでも電車の中でもできますし、筋力やバランス力が低下している高齢者も無理なく行えます」
クリニックに通う患者さんの多くも、骨たたきの効果を実感しており、手押し車を使って通っていた90代の女性に治療と並行して骨たたきを実践してもらったところ、1か月後には補助なしでも歩けるようになった!
「加齢によって身体のさまざまな機能が衰えていくことを食い止めるのは難しいですが、骨は確実に若返る可能性があります。いつまでも豊かで楽しい人生を送るために、40代以降の方はぜひ習慣にしてほしいですね。
また自分の骨の状態をしっかり把握しておくことも大切。私のクリニックでは、骨密度から栄養状態まで包括的にチェックできる『骨ドック』というメニューもありますので、気になる方はぜひ1度受けてみては」
骨たたきで身体を若返らせる
スーパーホルモン オステオカルシンが増加する!
骨の中にある骨芽細胞には、免疫力を高めたり、臓器の機能をコントロールする重要なホルモンを分泌する働きがあることが、最近の研究で明らかになってきました。中でも注目は、骨ホルモンとも呼ばれる「オステオカルシン」。
さまざまな臓器を活性化させ、糖尿病や認知症、動脈硬化、生活習慣病などの予防や改善に効果が期待されています。骨たたきは、オステオルシンの分泌を促すこともわかっています。
骨たたきのすごい効果
■骨密度が上がる
■太りにくくなる
■糖尿病を予防する
■身体の酸化を防ぐ
■免疫力が高まる
■認知症を予防する
コツコツ骨をたたくだけで、スーパーホルモン「オステオカルシン」の分泌を促進し若さと健康を保つさまざまな効果が。豊かで快適な人生を送るための最強の対策といえそう。