Q.特養以外には、どんな施設が?

A.特養以外で、介護保険で安く入所でき、要介護度が高くても受け入れてもらえる施設としては、『介護老人保健施設(老健)』などがあります

 ただ、3~6か月で退所しなくてはならず、特養に入るまでのつなぎのような使い方がされている。

 このほか、ひとり暮らしに不安があるおひとりさまが比較的低価格で利用できる施設はとしては、老人福祉法で定められた施設『軽費老人ホーム』や、介護は外部サービスを利用する『ケアハウス』などが。施設によって、受け入れ可能な要介護度が異なるのでしっかりリサーチを。

コラム:任意後見人を決めておこう

 認知症などで判断能力が衰えたら、自分の財産の管理も困難に……。

「悪い人にだまし取られる危険性もあります。そうした事態に備えるのが『成年後見制度』。自分が生きている間の財産管理を、第三者に任せるという制度です」

 成年後見制度は2種類ある。ひとつは『任意後見制度』。いずれ判断能力が低下することを見越し、前もって自分自身で信頼できる人を選び、後見人を引き受けてもらう。

「任意後見人は身内はもちろん、友人でもOK。将来の財産管理だけでなく、身の回りのことなどその人に何を支援してもらうか、そして報酬も自由に決められます」

 任意後見契約は公正証書でかわす。地域包括支援センターや法律のプロに相談しながら進めたい。

 そして、もうひとつは『法定後見制度』。認知症などになり、自分の判断能力がなくなった後に、裁判所が後見人を選定。その人が財産の管理をしていく。

法定後見人は、自分の見知らぬ弁護士が選ばれることが多いです。きょうだいや甥姪がいても、選ばれるとは限りません

 基本報酬は月額約2万円。管理財産額が多い場合、さらにアップする。