葉石さんの主治医・吉野一枝先生からアドバイス
葉石さんを15年にわたって診療してきた、よしの女性診療所・吉野一枝先生。更年期治療でクリニックを選ぶ際に注意点があるという。
「婦人科のなかには薬での治療にまだ批判的な先生や、お産が中心で更年期の相談がしづらいクリニックもあります。診療メニューに更年期障害と入っているところやクチコミで安心できそうなクリニックを見つけてください。初診は対面がいいのですが、お薬の継続などの場合、最近ではオンラインによる診療ができるところも増えているので、地方から東京のクリニックを受診するといったことも可能になってきました」
日本ではまだピルの普及率は低いが、世界的にはすでに普通のことだとか。避妊だけでなく、月経トラブルがある人には強い味方となる薬だ。
「月経痛の緩和など、ピルの処方は症状に合わせてオーダーメードで行います。副作用として不正出血、吐き気、胸が張る、頭痛、下腹部痛などがありますが、大半は3か月程度でおさまります。医療は進化しているので、婦人科のかかりつけ医を見つけて、知識を身につけることが大切です」
一方、ホルモン補充療法は更年期だけでなく、一生続ける人も少なくないそう。
「女性ホルモンが骨粗鬆症、動脈硬化、膣萎縮、尿漏れなどのトラブルを予防してくれるため、80代、90代でホルモン補充療法を行っている人もいます。肌や髪を若々しく保つことにもつながります。ホルモン補充療法は乳がんの関係を不安視される方もいますが、明確にはなっておらず、しっかり理解すればリスクよりもメリットが大きいと考えられています」
女性ホルモンの不調かな? と思ったら……
■1.まず婦人科へ
女性ホルモンが不調の原因と考えられる場合は、婦人科での治療が基本となる。ほてり、手足の冷え、めまい、頭痛、過度のイライラ、不眠、うつ症状などがあれば婦人科を受診してみよう。
内科や心療内科では女性ホルモンをコントロールする治療は行われないので、症状が改善しないことも多い。自分と相性がぴったり合う婦人科医を探すことも大切だ。
「更年期障害の治療は、大きい病院で担当医が曜日によって変わるところより、じっくり相談できる個人クリニックのほうがおすすめです。女性ホルモンの減少によって起こる症状は十人十色。更年期治療もオーダーメードで、定期的にクリニックに通い、医師と相談しながら治療のアップデートをしていきましょう」(葉石さん、以下同)