慢性疾患の患者は狙われやすい
病院の形態もさまざまで、“カモる理由”を作る背景も異なる。
例えば医療法人などが経営する大規模な『総合病院』では、医療コンサルティング会社に経営を任せている場合もある。そうなると病院側はコンサルティング会社に言われるがまま、患者集めと利益の積み増しに必死になる。
患者に対し、必要以上の検査など医療行為を行い、利益に結び付けようとする。
病院には外来、入院などの部門がある。そこでどういった医療を施せば収入が最大になるかを病院は模索。“患者=顧客=金づる”として見られがちになるのだ。
一方、規模の小さな『個人病院』や『クリニック』の場合は経営状態が安定していないところも多く、病院存続のために患者をカモにしているケースも考えられるという。
では、どんな眼科が患者を狙っているのだろうか。
まずターゲットになりやすいのが、『ものもらい』などの急性疾患よりも、『緑内障』『白内障』のように徐々に悪くなる慢性疾患の患者。
「病院側にとって、通院患者を毎回来てくれる“常連客”にすることが大切なんです。外来で1度にがっぽり取ろうではなく、定期的に通院してくれる患者の医療費に少しずつ上乗せする」
眼科にとって「いい収入源」になるのが慢性疾患の手術だという。
患者の願いは、いい治療をしてもらい、後遺症もなくて、目もよく見えるようになること。手術をするにしても早めに家に帰ることを願う。
一方、病院は患者をすぐに帰すと入院費が取れないのでなるべく引きのばしたい。
「実は白内障の手術にしても極端。日帰りで一気にやるところもあれば、数日のところから、ひどいと1か月くらい入院させてガッツリ入院費を取るところもあります」
カモられないよう入院先の病院を選ぶことも大切だ。
まず、ポイントにしたいのが入院期間。
「病院ごとに決められているので、あらかじめ確認することができます」
健康保険で自己負担は減るが一泊で総額おおよそ1万円ほどかかる。
「入院でのメリットがあることは確かですが、あまりにも長く滞在させられ、検査が続く場合には要注意」
病院にとっては1泊させるだけで収入が増えるため、大きな収入源となる。
患者は、手術自体の費用も気になるところ。
「だいたい片目で十数万円からです。片目ずつ別の日にやるのか、両目を1日でやるのか。片目ずつ別々の日にやったほうが、手術費も入院費も高くなる傾向があります」