台風の本番はまだまだこれから
本州への侵入をブロックしている太平洋高気圧が後退したとき、パワーアップした台風はどこへ向かうのか。
前出の山田准教授は、
「発生前の台風の進路を予測するのは無理です。ただ、典型的な台風は、日本列島の南東の洋上で発生して北西に進み、日本列島あたりで進路を変えて北東に向かいます。日本列島を縦断するような台風が起きやすい季節になってくるのは確かですね」
と注意をうながす。
気象庁によると、昨年発生した台風は29号まで。今年を除く直近20年では、年間平均24・55個の台風が起きている。今年はまだ10号だから、台風の本番はまだまだこれからといえる。
昨秋、千葉県を中心に大規模停電などをもたらした9月の台風15号に続き、10月には台風19号が東日本各地で洪水を引き起こしたのは記憶に新しい。
どうすれば、被害を最小限に食い止められるのか。
前出の高橋特任教授は言う。
「住んでいる土地の成り立ちや浸水の危険性を把握しておくこと。都合の悪い情報から目を背けてはいけません」
例えば、海や川の近くは高潮や浸水被害が心配されるし、山のふもとや崖下の集落は土砂崩れに警戒が必要だ。地盤の安定性を判断することも求められる。