乾電池は、用途別に分けて用意しておくといい
最優先しなければいけないのは命を守ること。しかし、事前に備えられるのだから、住居や家財道具などの財産もできるだけ守りたい。
割れると後片づけが大変になる窓ガラスは、どのように補強したらいいのか。
前出の山村所長は言う。
「まず雨戸やシャッターがあれば閉めます。ない場合は外側からベニヤ板で補強したり、粘着性の強いガムテープを使って段ボールで覆うようにします。内側にも養生テープを格子状に貼り、段ボールで補強して厚手のカーテンを閉めます。窓から離れて生活することが大事です」
ほかにも、台風がくる前に余裕を持って取り組んでおきたいことがある。
「自宅周囲の側溝や排水口を掃除しておいたほうがいい。泥や小枝、木の葉などで目詰まりしていると、排水できなくなって水害を引き起こしかねません」(同・前)
浸水によって自家用車が水没被害に遭うことも。
「台風10号では、休業を決めた商業施設が立体型駐車場を開放するケースがありました。時間的余裕があれば、前もって浸水被害を免れることのできる場所に車を移動させておきたいですね」
と前出・三平代表理事。
さて、自宅や避難先での被災生活で役立つものは何か。
「乾電池を懐中電灯用、ラジオ用、スマホ用などと分けて用意しておくといい。充電器や車から充電できるシガーソケットも必要です」(山村所長)
ほかにも、LEDのランタンは連続点灯で14時間もつものなどがあるという。
「非常用トイレは100回分で百科事典2冊程度のコンパクトなもの(※コクヨ製『非常用袋式トイレ 防災の達人』)もあります。停電で換気扇が止まると家中に汚物のにおいが広がりますが、非常用トイレの中には消臭剤や凝固剤が入っているため、それを防げます」(同・前)