──介護について勉強してから、妻の自分に対する接し方で変わったと感じる部分はある?
茶 いや、全然変わってない。結婚した当初からまったく変わってないですね。
綾 私、けっこう世話好きよね?
茶 うん。
綾 でもね、自立支援といって、何でもかんでもやってあげるのはダメというのを学んで。だから最近は“あれ取って”とか言われても、自分でやってって、めっちゃ言うよね、私。
茶 まあ、ほとんど自分でやっているけどね。
綾 今までは私、めっちゃやってましたよ(笑)。今はそこまででもないかな。
茶 それは自分でそう思っているからでしょう。そんなにはやってもらって……
綾 たぶんね、当たり前になっているんですよ。加トちゃんの身の回りのこと私がやるのが当たり前になっていたじゃない。最近は犬の世話とか前よりするようになったよね。
茶 ああ、しているね。でもね、これまでも自分の中で特別にやってもらっているという感じはないんだけど。
綾 幸せだね(笑)。
茶 そ、そうか?
綾 かなり幸せだと思うよ。
──もしかして、こんなパートナーがいるから“自分は介護を受けることはない”と言える余裕があるのかも?
茶 確かにそう思いますね。彼女がいてくれるから、って。本当にいろいろ考えてくれることはうれしいですよ。介護の勉強だって大変ですよ。彼女が勉強している本をちょっと見てみたけど、すごいめんどくさいの、やることが。
綾 あ、実技のDVDを一緒に見たね。
茶 ご飯が食べられなくなった人に、のどにチューブを通して食事をさせる実技のDVD。相手にいちいち“これから何々します”って報告するんですよ。それを相手が理解してくれればいいけど、反応がない人もいて。介護するほうが鬱にならないのかな、って。あれを見たら、そういう面倒をかけないよう、元気で長生きしなくては、と思いましたよ。