おすすめオイル&食べ方は?
【オメガ3】エゴマ油
一年草のシソ科植物・エゴマ種子から搾る油。「エゴマを焙煎(ばいせん)したものと、生のまま圧搾したものがありますが、焙煎のほうが酸化しづらくおすすめ。できれば低温焙煎を選びましょう」。エゴマは抗アレルギー作用などがあるルテオリンが含まれる。抗酸化作用の効果を期待するなら、圧搾法で作られた、底に滓(おり)があるものを。オメガ3系は熱に弱いが、温かい料理にかけるのはOK。みそ汁、納豆に垂らすなどすると毎日、摂取しやすい。
1.フタつきのフライパンに食べやすい大きさに切った小松菜1束分を入れて軽く塩をふり、水大さじ1を入れてフタをして火にかける。1~2分して小松菜に火が通ったら、フタを取って水分を飛ばす。
2.ボウルにエゴマ油大さじ2、しょうゆ、からしを少々入れて混ぜ合わせ、(1)を入れ、海苔1枚分をちぎり入れてしっかりと混ぜ合わせる。
*おすすめオイル:国産焙煎えごま油(30g)……焙煎した国産のエゴマを100%使った、低温圧搾の香ばしい香りのオイル。540円(※価格はすべて税込み、編集部調べ)/緑里/問い合わせ:0240-23-6501
【オメガ3】アマニ油
アマ科の一年草の種子、アマニからとれる油。エゴマ油と違い、こちらに含まれるファイトケミカルは、女性ホルモン様(エストロゲン様)作用があり、更年期障害や女性ホルモンのバランスで悩んでいる人におすすめ。ファイトケミカルの効能は、精製度が低いほうが期待大。クリアなものではなく、圧搾法で搾られた、底に滓があるものを。オメガ3系は熱に弱いので、直接火にかけるのではなく、温かい料理や納豆、みそ汁、冷ややっこなどにかけて摂取を。
1.ピーマン3~4個分を種ごと輪切りにし、鍋にだし汁・しょうゆ・みりん各大さじ1を入れて中火にかける。
2.ピーマンに火が通ったら火を止め、かつお節適量とアマニ油小さじ2を入れて混ぜ合わせ、器に盛って白いりごまを適宜ふる。
*おすすめオイル:亜麻仁一番搾り(170g)……ニュージーランド産の原料を使用した低温機械圧搾法で搾った一番搾り。1029円/紅花食品/問い合わせ:050-3786-3793
【オメガ6・オメガ9】米油
米ぬかから搾る油には3つのパワフルな成分が。ひとつは悪玉コレステロールの吸収を抑える植物ステロール。次に抗酸化力が高いトコトリエノール。最後は米油のみに含まれるγオリザノールで、これは薬剤にもなっている成分。中性脂肪の吸収を抑え、また、自律神経を安定させるので、更年期障害に悩む人にもおすすめ。植物油は圧搾法のものを使いたいが、米油では手に入りにくいことも。「溶剤抽出法で搾った米胚芽油にも同じ成分があり、こちらもおすすめです」
1.にんじん1本分を細めのせん切りにし、塩少々と米油小さじ2をまぶしてフライパンに入れ、フタをして弱火にかける。
2.卵1個をボウルに割り入れ、塩少々を入れ混ぜておく。
3.にんじんがしんなりしたら(2)の卵を入れて炒め、卵に火が通ったら火を止めて白すりごまを少々入れて混ぜ合わせる。
*おすすめオイル:圧搾米油コメーユ(450g)……国産の米ぬかを圧搾製法によって搾油。クセのない風味に仕上げたオイル。1296円/三和油脂/問い合わせ:023-653-3021
【中鎖脂肪酸】MCTオイル
ココナッツやパームから抽出する中鎖脂肪酸が主成分のオイル。分解・吸収されやすく、すぐエネルギーになることが特徴。代謝が落ちた年代の人も、体脂肪として蓄積されづらく、消化に負担がかからないので、胃もたれしやすい人におすすめ。「身体が糖質オフの状態で摂取すれば、脳のエネルギー源(ケトン体)になりやすいので、朝一番の摂取を。人によってはお腹を壊しやすいので、豆乳スムージーや、ヨーグルトに加えるなどで乳化させましょう」
1.さつまいも1本分を蒸して、ひと口大に切る。
2.ヨーグルト・マヨネーズ・MCTオイルを1:1:1で混ぜ合わせたもので(1)をあえる。お好みでシナモンやカルダモンを少々ふる。
*おすすめオイル:仙台勝山館MCTオイル(360g)……原材料に、希少価値の高い「ココナッツ」を100%使用したこだわりのオイル。2380円/勝山ネクステージ/問い合わせ:022-722-3750
(取材・文/仲川僚子)
《PROFILE》
地曳直子さん ◎家族の病気をきっかけに分子栄養学を学ぶ。その中で脂質の重要性を知り、以後、講演・執筆・レシピ考案などを通して脂質栄養学の普及に努めている。日本リポニュートリション協会 代表理事。