家事労働で後遺症が悪化!?

 特に女性が注意したいのが日ごろの家事だ。

「うちに来る患者さんにも、コロナの治りかけで家事や家のことを頑張ってしまう人は少なくありません」

 すると無理がたたって後遺症が悪化してしまう。

「これが女性の後遺症が重い原因かもしれません。家事をひとりでこなそうとせず、とにかく家族を頼ってください」

 ゆっくり休む環境がある、それが後遺症が重くなるかならないかの分かれ道なのだ。

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【写真】コロナ感染後、血管がボロボロになってしまうワケ

「50代なら体力が落ちる程度ですむかもしれないが、70代以上で重い後遺症で寝たきりになれば認知症になるリスクはずっと高くなる。コロナは回復したのに、別の病気になってしまう危険も十分に考えられます

 日ごろから血栓ができにくい身体をつくることも重いコロナ後遺症を引き起こさないポイント。

「もともと心臓や脳に疾患がある人は血液をサラサラにする薬を飲んでいると思います。これは絶対にやめないでください。サイトカインストームで血栓ができやすい状態にしないためにも、血液サラサラの薬は重要です」

 天野医師もそうアドバイスを送る。ただし、この薬は医師による診断、処方が必要なので薬局で手軽に購入することはできない。

納豆、鶏肉料理が効果的

 救世主となるのが納豆だ。

「納豆には血液をサラサラにする、抗凝固作用があります。1日1パックは食べてください。あと、よく水を飲むようにしてください。脱水状態になり、血液が濃縮して血栓ができやすくなります」

 ほかにも体力を回復させるのにはあたたかい鶏肉料理が効果的だという。韓国料理のサムゲタンはピッタリだ。

コロナを発症していなくても、ちょっとだるいな、と思ったら鶏肉料理を食べて安静にしましょう。それでも症状が改善しなかったら受診してください。だるかったら、頑張らないことです」(平畑院長)

 1日でも早く元の生活に戻るためには、仕事も家事もセーブすることが鍵なのだ。

 頑張りすぎずに、心も身体も十分に休ませる。それがコロナ後遺症で苦しまないための秘訣のようだ。

■新型コロナの後遺症とみられる主な症状
・味覚障害
・脱毛
・頭痛
・息苦しさ
・倦怠感
・血管の損傷


東京脳神経センター医師
天野惠市医師(脳神経外科医)
医学博士(東京大学)。カナダマギル大学モントリオール神経研究所に留学。著書に『ボケずに長生きできる脳の話』(新潮社)。

ヒラハタクリニック院長
平畑光一医師(内科医)
ヒラハタクリニック院長。東邦大学大橋病院消化器内科で大腸カメラ挿入時の疼痛、胃酸逆流について研究している。'08年7月より同院長。