お米やパンなどを控える炭水化物抜きダイエット。体重がみるみる落ちるといった効果で定着した感があるが極端に炭水化物を減らすと腸によくないという。さらに骨や筋肉など、身体に必要な部分がやせていくという弊害も。意外な落とし穴を2人の専門家に聞いた。
突然、フラついたりめまいを起こすように
「ダイエットをしなきゃと思っていたらテレビで糖質制限ダイエットのことをやっていたので、我流で試してみることにしたんです」と話すのは、数年前から体重と血糖値が気になっていたという小西可奈さん(仮名、50代)。
まずは、糖質を多く含んでいる炭水化物の代表選手、白いご飯をキャベツのせん切りに替え、飲むお酒も糖質ゼロの発泡酒に変更し、「炭水化物抜きダイエット」を徹底的に実践したという小西さん。なんと1か月もたたないうちに体重が3キロ減、血糖値も改善したという。
「本当は米や麺類が好きなので、最初はツラかったのですが、すぐに効果が出たのでうれしかったですね」(小西さん、以下同)
順調なダイエットにすっかり気をよくして、その後も食材の成分表を持ち歩き、できるだけ糖質が入ったものを食べないようにする生活を続けた。ところが、やがて思わぬ異変に襲われる─。
「階段を上がるときにフラついたり、頭がボーッとして疲れやすくなったり、集中力の低下やめまいも……。これまで経験したことがない症状だったので心配になり、病院に行くことにしたんです」
病院での診断結果に小西さんは驚愕。炭水化物抜きダイエットにドクターストップがかけられた。というのも、実はこのとき、小西さんの筋肉量はダイエット前より20%近くも減少していたのだ。
その後、医師の指導で、極端なダイエットを改めるなど食事を見直したところ、体調不良は改善し、筋肉量も回復した。一体、小西さんの身に何が起きたのだろうか?
●小西さんのある日の献立
炭水化物を一切抜いたメニュー。「そのかわり、肉や魚、野菜や海藻はよく食べるようにしていた」と小西さんは言うが……。