院が交通事故専門を謳う理由
これらの手口を明かしたことで、アウトな治療院がすべてなくなればいい、と語る高林先生。
「世の中を正したいですね。結局、ダメな治療院って扱いにくい患者さんを攻撃するんです。治療院側がきちんとコミュニケーションさえとれていれば扱いにくい患者さんなんていないはず。私はむしろ患者さんから元気をもらっていますよ。よくなった患者さんがお礼を言ってくれると本当にうれしい。これからも1人でも多くの患者さんの痛みを治したいと考えています」
●そもそも治療院って?
→器具を使用しない主義による医業類似行為
・法的な資格制度があるもの
→あんまマッサージ指圧はり、きゅう柔道整復
・法的な資格制度がないもの
→その他の施術(整体、カイロプラクティックなど)
※これらは法的資格制度のあるなしに関係なく治療院と呼ばれる。
◆行ってはいけない!アウトな治療院のpoint
【その1】フケツ
スタッフのユニフォームの襟元やズボンなどが黒ずんでいる。サンダルの靴下が汚いなど、衛生観念が低い。「そういう院では、前の人が素足で乗ったマットの上にうつぶせで寝て、など平気で言います」(高林先生)
【その2】外から見えない!
外から中の様子が見えないように目隠ししてある。「評判が落ちて患者が来なくなると、院の中を見えないようにしがちです。空の治療台や待つ患者がいないのを見られないようにするのが姑息ですね(笑)」(高林先生)
【その3】“交通事故専門”を謳う
“交通事故専門”“自賠責ゼロ円”などののぼりを立てたり、ポスターを張っている。
「交通事故って儲かるんです。普通の患者さん1人が10人分ぐらいの儲けになります。交通事故専門って何だよって思いません? 自賠責ゼロって言うけど、保険が使えるところなら、どこでもゼロ円ですよ。あえてそれを声高に宣伝する院はおかしいですね」(高林先生)
【その4】セクハラ
若い女性患者はとくに気をつけたい。
「患者さんで若い女性が来ると、なぜかいつも院長が出てくる治療院がありました。下半身の痛みがあるにもかかわらず、関係ない上半身を脱がせ、肩を揺らして胸を凝視。そんなことをする治療院は本当にアウトですね!」(高林先生)
【その5】先生が練習、実力不足
先生が患者と目を合わせない。あるいは患者の質問に逆切れする意味は? 「人見知りの先生や鍼を打つときに手が震える先生がいます。緊張しないようになるにはどうしたらいいか。緊張しないぐらい練習すればいいんです。
治療をして、もし治らなくても、いい先生は引き出しを持っているので動揺しない。引き出しを持っていない先生は急に慌てたり怒ったりするし、コミュニケーションが円滑にとれないことが多いです」(高林先生)