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ー 自分に合った化粧品が脳を“初恋”状態に
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ー キャッチフレーズでわかる化粧品の真実 ー 実は間違っていた!化粧品の「効きめ」

 

 口コミの評判がいい基礎化粧品なのに肌に合わない、という経験、あるはず。自分に合う化粧品を選ぶにはその役割と成分を知ることが必要だ。

「皮膚は、水・脂質・天然保湿因子(NMF)の3つで水分を保ちますが、化粧品はこれらの成分そのもの、あるいはそれに似た成分を補って肌を健やかな状態へ導くもの。ほとんどの化粧品は水と油、そして界面活性剤の3つをベースに作られています」と話すのは、物質工学修士を持つ理系美容家のかおりさん。ただし、この3つの成分だけでは化粧品自体の品質を保てない。

物質工学修士を持つ理系美容家のかおりさん
物質工学修士を持つ理系美容家のかおりさん

「そのために防腐剤や酸化防止剤といった品質保持剤が配合されます。日本で販売されている化粧品は厳格なルールにのっとり、安全性が認められています。添加物にさほど敏感になる必要はありません」(かおりさん、以下同)

 実は「無添加」の表示があっても添加物を一切加えていないという意味ではない。肌に優しいとは限らないのだ。

「どの添加物が何の目的で使われているか、何が無添加なのかを、消費者が成分表示を確認し、判断することが大切」

自分に合った化粧品が脳を“初恋”状態に

「化粧品は差別化のために、1%以下の美白有効成分や植物エキスなど『機能性成分』が足されます。使い心地をよくする増粘剤などもあります」

 香りも、自分にとって“いい化粧品”かどうか大きく関わってくる。

「香料を敬遠する人もいますが、心地いいと感じる香りは脳にいい影響があります。それは、ひいては肌にいい影響を与えます。負担にならない価格やストレスを感じない使用法なども、自分に合うかどうかをジャッジするポイント」

 お気に入りの化粧品を6週間使い続けている脳の活動状態は、初恋の人を思うときに似ているという研究結果も。

「成分の知識を増やしつつ、丁寧に使いたくなる化粧品かどうかという“感覚の部分”も見極めていただきたいです」

1%以下の成分の見極め方が大事

 化粧品の基礎的な使用感などはほぼ1%を超えるベース剤で判断できる。肌悩みに合わせた「機能性成分」は1%以下に含まれている。

1.増粘剤

 成分名は、カルボマーやキサンタンガム、ヒアルロン酸Na(保湿剤のほか、増粘剤として使用されることも)など。これらの成分を1%を超えて配合すると、テクスチャーが悪くなるため少量しか配合されない。

2.植物エキス

 少量しか配合されない理由は、(1)高濃度だと色がつく(日本では無色透明が好まれるため)、(2)1%以下で十分に効果がある、(3)刺激になる可能性がある(機能性の高い成分は副作用と紙一重)の大きく3点。

3.ヒト型セラミド

 セラミドの中でも人気かつ有名な成分のひとつ。ただ、水にも油にも非常に溶けにくい性質であること、価格がとても高いことから、1%を超えて配合されることはまずない。こちらも1%以下で十分に効果を発揮。