チーズの種類は多種多様。どんなものを選べばいい?

「WHOではハードタイプのチーズを推奨しています。硬いチーズほど噛む回数が多くなり、唾液が出やすいからでしょう。チェダー、ゴーダ、エメンタール、パルメザンなどに代表されるハードチーズやセミハードチーズは、カルシウムとリン酸の量が非常に多いとされています。つまり、再石灰化が促進されやすいのです」

 食べるタイミングは食後の一択。10~15グラム程度を適量とする。

「食後は酸が大量に出て歯が溶かされている状態にある。口内を中和し、歯を元どおりに修復するベストなタイミングといえます。料理としてではなく、チーズ単体でとることも重要です」

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チーズを食べるだけで虫歯が治る仕組みとは

 チーズを食べた後も注意が必要。すぐに歯を磨くのは好ましくない。

「歯の修復にはある程度の時間を要します。食事直後は口内が酸性に傾いていることもあり、そこで歯を磨くと酸で溶けた歯を逆に傷つけてしまうのです。10~30分程度たってから磨くようにしてください。チーズの効果を高めるためにも、時間を置きましょう」

 では、チーズ以外の乳製品を食べた場合はどうなるのか。

「乳製品にはカルシウムとリン酸が含まれているため、ヨーグルトや牛乳でも虫歯予防&回復の効果は期待できます。ただし、どちらもチーズの働きには及びません」

 カルシウムを含む食べ物といえば小魚も浮かぶが……。

「小魚にはリン酸カルシウムが豊富ですが、カルシウムとリン酸の結合が固い。そこがネックとなって歯に浸透しにくく、効果は望めないのです」

 一方、チーズに限らず、キシリトール(天然甘味料)やシュガーレスガム、紅茶なども虫歯予防に役立つとされている。

「WHOの指標ではチーズの虫歯予防効果はそれらを上回るレベルとしています。日本ではあまり認識されていませんが、欧米ではチーズの虫歯予防効果は常識として知られています」