前述したとおり、唾液は歯を守ってくれる強い味方。噛む行為の多い食品ほど唾液が出て、歯は必然的に強くなっていく。であれば、するめなどは歯の健康にぴったりと思うだろう。

「いいえ、するめはむしろ歯にダメージを与えます。過度に圧力が加わり、歯が割れたり欠けたりしてしまうのです。硬い食べ物は歯を丈夫にすると捉えがちですが、実際は逆。歯は筋肉のように圧をかけて鍛えることはできません。噛むことで唾液が出たとしても、強く噛み続けて歯を傷めていたら元も子もありません」

 おいしいものを食べて、楽しい日々を過ごす人生に、歯の健康は欠かせない。そのために、お茶、お酒のお供はせんべいやするめではなく、チーズにしよう!

WHOがすすめる虫歯予防ランキング

1 フッ素
フッ素はミネラルの一種。虫歯予防効果は最高レベル。フッ素入りの歯磨きが市販されている。

2 チーズ
特にハードチーズ(チェダー、ゴーダ、エメンタール、パルメザンなど)の虫歯予防効果が高い。

3 キシリトール
虫歯予防効果が実証されている天然甘味料。日本ではキシリトール入りのガムがおなじみ。

4 紅茶
紅茶にはフッ素が入っているため、虫歯予防効果大。緑茶の場合、カテキンの成分による同効果は低い。

紅茶 ※画像はイメージです
紅茶 ※画像はイメージです

教えてくれたのは丸山和弘さん
丸山歯科医院院長。1995年、群馬県高崎市で開業。地域密着型の歯科医師として、虫歯予防から歯のホワイトニング、入れ歯の相談まで、さまざまな症例と日々向き合っている。All About「歯の健康」ガイドを務める。

(取材・文/百瀬康司)