健康な髪のために毎日、不可欠なシャンプー。でもここ数年、お湯だけで洗髪する“湯シャン”が、タモリら有名タレントも行っていることをきっかけに話題になった。とはいえ、湯シャンは「ベタつきそう」「ニオイが気になる」……となかなかハードルが高く、挫折した人も多いのでは。
髪トラブルの原因はシャンプー
そんな中、シャンプーを減らす“減シャン”が注目されている。タレントのベッキーや鈴木蘭々も、普段は湯シャンで時々シャンプーをするとSNSで明かしている。実際、シャンプーを減らすことでどんな効果が期待できるのか、長年シャンプーについて研究を重ねている美容師の横田有里恵さんに聞いてみた。
「シャンプーによっては何十種類もの化学物質が入っていて、髪と頭皮によくない影響を与えることもあります。筆頭は汚れを落とす目的の界面活性剤。質の悪いものが入っていたり含まれる量が多いと、頭皮の皮脂を取りすぎてしまいます」
皮脂を落としすぎると、身体はそれを補おうと余分な皮脂の分泌を促し、より脂性化を進める。
「毛細血管から吸収した栄養も、多くが皮脂腺へいってしまい、毛根は栄養不足に陥ります。結果、髪の生育が悪くなって、抜け毛や細い毛が増加。色素幹細胞にも栄養が足りず白髪になりやすくなります」
シャンプーは化学物質を頭にすり込む作業のようなもの、とも話す。頭皮の毛穴は大きいので、こすり洗いをすると毛穴に化学物質が入り込みやすい。毛根は毛細血管ともつながっているので、長年使い続けることで全身に害を及ぼす可能性もあるという。
「中でも“○○クロリド”“ポリクオタニウム”などの名称で表記されている、カチオン活性剤というコーティング剤が有害といわれています」
人間の頭皮や髪はマイナスの電気を帯びているが、カチオンはプラスの電気を持つため磁石のようにピタリと密着し、しっかりコーティングする。しかし、このコーティング剤が剥がれるとき、キューティクルも一緒に剥がしてしまう。すると髪の内部がむき出しになり、パサつきや切れ毛に。また頭皮もコーティングされてしまうので、頭皮は皮膚呼吸ができず酸欠状態となり、毛髪が育ちにくくなる。
「シャンプーを減らして、白髪が減った、髪が太く艶やかになった人は多いです。加齢により髪質が悪くなったと感じる人は、毎日何十年とシャンプーを続けてきた悪影響が出ているのかもしれません」