【生活習慣】毎日同じ時間に同じことを繰り返す

「規則正しい生活習慣が身についたのは修行時代。毎日同じ時間に起床し、坐禅、読経、掃除などの決められた仕事をこなし、同じ時間に寝るという生活を3年間続けました。そのおかげか、幼いころからのアトピーや喘息もよくなったんですよ

 そう語るのは泰丘副住職。臨済宗をはじめとする禅宗の僧侶は、修行道場に入り、一人前になるまで「戒律」という生活規範のもとみっちり鍛えられるのが通例だ。

「修行道場を出た後はある程度自由になれますが、ふと、だらけてしまったときも、ちゃんとしていたころのことが反省として思い出されて。だから今でも毎朝5~10分読経の時間を設けると決めています。あとは、どんなに疲れていても『風呂掃除をしてから寝る』のが自分ルールです」(泰丘副住職)

 早島住職は朝型生活の良さを語る。「日の出とともに一日を始めるのは、地球と一緒に起きるようで気持ちいいですよ。修行時代から続けているのは『お勤め』。掃除と読経、仏様へ挨拶という、毎朝同じ仕事です」

写真はイメージです
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 藤原住職も「特別なことはしていない」とは言いながら、生活の中に内観の法(次ページで解説)、読経、掃除などのルーティンを持っていた。日課を丁寧に繰り返すのがポイントのようだ。

 平井住職のいる全生庵では、毎朝、地域の人も参加できる坐禅会を行う。ラジオ体操のように、やれば頭もすっきりして一日に臨める。

「申し込みすれば誰でも参加できます。私は寺生まれなので、物心つく前からこの習慣は日常に根づいてましたね」

【ドクターのコメント】

 皆さん、毎朝早く起きる生活のようですね。実は、睡眠で大切なのは長さより深さ。夜型の人は就寝中の体温の変動が小さく、睡眠が浅いという研究結果があります。熟睡するには、朝型のサイクルが理想的です。

 また、睡眠と覚醒のリズムを毎日規則正しくつくっていくのもポイント。同じ時間に寝て、同じ時間に起きるのが大事なのはもちろん、眠気を覚ますためにカーテンを開けて朝日を浴びたり、掃除や体操で身体を動かすのも、メリハリがついておすすめです。休みの日も、できるだけ起床時間、就寝時間をそろえられたら健康的です。(奥田昌子先生)