仕事を続けたことが気持ちのオンオフに
がんを告知されてから自分に降りかかってきたすべてのことを“人生の経験”として前向きに捉え、闘病中も会社の代表として仕事を続けてこれたのはなぜか。
「もともとの性格もあると思います。でも、今思えば、仕事モードにスイッチを切り替えるときがあったことがよかったのかなと。ずっと病気と向き合い続けるのはしんどいですが、気持ちにメリハリがつけられました」
服装を整え、メイクをして仕事へ向かっていたことが、ポジティブにがんと向き合う力につながったのではと話す。
「女性は、口紅ひとつ、ハイヒールひとつで気分が変わる生き物だから。病床でふさぎ込みそうなときも、ハレの気分にしてくれるアイテムが男性より多いので、女に生まれてラッキーだなと思いました。がんになったからこそ、改めて女性でよかったと気づけたと思います」
川崎貴子さん(50)●女性活躍支援コンサルティングなど働く女性のための事業を手がけるリントス代表。キャリアサポートをしてきた女性は1万人以上。“女性マネジメントのプロ”の異名を持つ。
(取材・文/河端直子)