痛みに効く! 万能ストレッチ3種

◆ひざのお皿回し

 ひざを曲げたまま生活すると、お皿の骨と太ももの骨の隙間が狭まり、関節が硬くなる。お皿の骨を前後左右に手で動かして、骨の間にスペースを作り、関節内の骨の動きをスムーズにしよう。「動き始めが特に痛いとき」に行うと予防にも。

・上下左右にお皿を動かす

 イスに座り、痛みを感じるほうの脚を伸ばす。両手の親指と、人さし指の腹をひざのお皿の縁に沿うように当てる。30秒間、手でお皿の骨を上下左右に動かす。

・回転させたり浮かせたりする

 さらに30秒ほど、お皿の骨を回転させたり、浮かせたりするような動きをする。優しすぎず、イタ気持ちいいくらいの力加減で行うのがコツ。

「ひざのお皿回し」(イラスト/日江井香)
「ひざのお皿回し」(イラスト/日江井香)
【写真】ひざ痛ケアがすぐできるようになる、わかりやすいイラスト

◆テニスボールストレッチ

 太ももの骨とすねの骨の隙間が狭くなったひざ関節は、骨同士が引っかかり、動きにくくなる。そこでひざ裏にテニスボールを挟んで押し込むと骨と骨の間にスペースが生まれて動きがスムーズになる。ねじれ改善にも。

・ボールをひざの奥でしっかり挟む

 床やイスに座り、脚の力を抜く。痛みがあるほうのひざ裏中央に、テニスボールをセットする。両手をすねに当て、脚を抱え込むように力を加えながらひざを曲げていく。この体勢を30秒ほどキープ。※場所に余裕があれば、あおむけになって同様に行っても効果的!

◆ひざ押しストレッチ

 ひざの痛みの3大元凶すべてにアプローチする万能ストレッチ。曲げっぱなしのひざがしっかり伸ばされ、コブが硬くなるのを防ぎ、ひざ下の「ねじれ」解消にもつながる。これだけを行っても痛みが消えることも。

「ひざ押しストレッチ」(イラスト/日江井香)
「ひざ押しストレッチ」(イラスト/日江井香)

・30秒間ひざを長押し

 無理なく脚が上がる高さのイスや平台に、痛みがあるほうの脚を乗せる。ひざをまっすぐ伸ばし、脚を少し内側に回してから、ひざのお皿の骨の真上に両手のひらを乗せる。垂直の角度から、手でひざのお皿の骨をグーッと押し込み30秒間キープ。脚の力を抜き、ひざ裏がピンと伸びるイメージで行う。“少し痛い”くらいの力加減が効果的。

教えてくれたのは……さかいクリニックグループ代表酒井慎太郎先生●ひざ・首・肩の痛みやスポーツ障害疾患の治療を得意とする。プロスポーツ選手や俳優などの著名人の治療も行い、メディアでも活躍。『痛みの元凶を自分で治すひざ痛ほぐし1分ストレッチ』(徳間書店)など著書多数。

(取材・文/大貫未来【清談社】 イラスト/日江井 香)