「ガムを噛むことで脳に刺激を与えたり、コーヒーといったカフェイン摂取もいいでしょう。私が一番おすすめするのは、我慢できない眠気があるなら、短時間でいいので仮眠をとってしまうことです」
無理に眠気を払おうとしても身体が辛いだけ。それならば15分間程度の仮眠が、その後のパフォーマンスも上げる。
「ただ、これが30分以上寝てしまうと、かえって身体が重く感じることも。夜の睡眠に悪影響を与えることもあります。サッと寝て15分経ったら行動を開始する程度が理想です」
問題は「飲み方」と「薬の種類」
眠気そのものを払う努力はしてもいいが、問題は“鈍脳”。
眠気のように自分で気づいたり感じたりできていないことも少なくない。
「運転や細かな作業、試験など集中したいイベントが控えている場合は、いくら眠気は払えたとしても、“抗ヒスタミン薬”は避けたほうがいいでしょう」
鼻炎症状による集中力の低下も問題だ。
「皆さん勘違いしているのは、眠気が出る薬が効果が高いというわけではないということ。
眠気は、脳のヒスタミンをも抑制してしまうことで引き起こされますが、アレルギーの症状を抑制するときは身体の末梢部分にのみ作用すれば効果が出ます。つまり脳内にまで抗ヒスタミンが作用しないもの、“鈍脳”を起こしにくいタイプの抗ヒスタミン薬を検討するべきです」
そこで注目されるのは、近年開発された第2世代の抗ヒスタミン薬といわれるもの。
「第1世代抗ヒスタミン薬では、投与された量の50%以上が中枢に移行して脳内にも影響するすると言われています。これに対し、第2世代抗ヒスタミン薬は、それが30%以下と低く、中枢神経系の副作用が起こりにくいように改良されています」