SNSやYouTubeを始めたきっかけ
「障害者の方で社会を変えたいと発信、活動してきた方はこれまでもいらっしゃいました。そういった方々は教育的な側面が強かったりとか、平たい言い方ですが“堅いもの”が多かったと思います。障害者の方に“思いやりを持って接しましょう”みたいなことは、いろいろなところでもう何十年も言われ続けてきたと思いますが、社会は変わっていませんし、むしろちょっとひどくなっているのではないかと思います。 “心のバリアフリー※”というようなボカしたような言い方を続けていてもやっぱり耳目は引き付けられない。
そういったものではなく、周りの友達と遊んでいるなかで気づいたことであったり、若い人たちが好んでエンタメの枠として見るようなものにしたいと思ってSNSやYouTubeを始めました」
(※『心のバリアフリー』とは、内閣官房が東京五輪を契機に“様々な心身の特性や考え方を持つすべての人々が、相互に理解を深める”ために推進している施策、及びそのキャッチコピー)
しかし、それによって敵対視されてしまうことも……。他ならぬ障害者の方からの声だ。
「多くは私の外見に対して“もっと地味な格好をしろや”とか、収入に対する声であったり、“自分は自由に病院から出ることやヘルパーさんなしで生活することができない。それができるだけマシだ”などの声が多い印象です。今はSNSやYouTubeは誰でもできるものです。“あなたみたいな人が障害者の代表だと思われたら困る”とか“車椅子の人はみんなこうだと思わないでくれ”とか、“私は譲ってほしいなんて思わないですけどね”とか言ってくる人がいるんですが、だったらそれを私に言うんじゃなくて、あなたも発信しすればって思います。
障害者にもいろいろな人がいるんだという認知が浅いのだと思います。そういった人は自分の意見を自分のメディアで発信すれば、“いろんな人がいるんだ”ということの認知が深まると思います。もちろん障害の度合い、それによる金銭的事情などもありますが」
障害者の“態度”への批判的な意見に対し、さしみちゃんは当事者ながら「言ってることもわかる」とも話す。