「Bさんに私の情報も見られているかどうかもわかりません。組合がBさんにどのような謝罪をするのか、報告を受ける権利は私にはあると思います。また、国民への報告、そして誤りの原因を精査し、改善案が講じられてしかるべきだと思います」(Aさん、以下同)
5月に入ると、Aさんを業務妨害呼ばわりした組合は一転、国保中央会を通し、経緯などについて「Aさんにご説明したい」旨を伝えてきた。
「日本は終わってるな」
「恫喝するような組合と1対1では話せないと伝えました。国保中央会の担当者さん含めての3者での話し合いを提案したのですが、それはなぜか拒否されました。この段階になっても、上長の名前は濁されています。明らかにするならば、その人からの電話は受けますと話しました」
しかし、国保中央会の担当者は、あくまで恫喝上長とは話させたくない様子だという。本誌は誤登録した組合に、事実確認や謝罪の意思などを問い合わせた。
「担当者は会議で不在」とのことで、先方より折り返しとなったが、連絡がないためこちらから再度問い合わせた。今度は「取り込んでいる」。その後、FAXで質問となったが、それに対しても回答はなかった。
「心身共に疲れ切っています。窓口もなく、対応に振り回され、組合からは怒鳴られ疲弊していた私は、初めて“日本は終わってるな”と思いました。国が推進した制度により被っている被害に対して、なぜ私が手足口を使って動かなければいけないのか」
Aさんが今回の件で疲弊していると、国保中央会の担当者に伝えると、それを逆手に取るように、「Aさんのご負担を考えると、(上長からAさんに連絡はナシ)これ以上の進展は難しく、今後はこちらからの回答も難しい」とした。
「恫喝するような人と話すことは精神的に負担ですが、逃げるような対応はさらに心労となります。ヒューマンエラーは仕方ないですし、組合の人が悪いなどと思っていません。恫喝してきた上長が悪いと思っていますが、謝罪がなされるのか現状わかりません。ただ、あくまで上長は私の前に出したくないような状況となっています」
本来、マイナンバーは、国民に番号を振り分け、管理をしやすく、また明確にするものであるはずだ。さまざまな事象における理由・責任・義務・金額などをわかりやすく、そして一元管理するためのものであろう。マイナンバー(カード)に対しては、さまざまな意見はあるが、本来的には便利であるはず。しかし、見通しの甘いシステム管理、扱う人間の杜撰さ、そして愚かさによって便利とは真逆のものに……。その迷惑を被るのは他ならぬ国民だ。
今回、さまざまな機関がAさんに対し「稀なこと」と口をそろえた。しかし、厚労省の調査で、保険証の誤登録は7300件に上ることが12日に明らかになっている。