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「そうめんは手軽なだけじゃない。ほんとうは繊細で奥深い魅力があるんです!」と断言するソーメン二郎さんは、筋金入りのそうめん伝道師。
奈良県で製麺所を営む家系に生まれ、米粒よりそうめんを食べて育ってきた。
家康も秀吉も食べていた風土が育む味の違い
そもそも、そうめんの始まりはいつから?
「歴史は古く奈良で1300年前から作られている三輪そうめんがルーツとされています。現在は手延べそうめんの製麺所は全国に800軒ほど。麺の太さや長さ、味や食感にそれぞれカラーがあります」
日本酒と同じように、地元の水や塩、小麦や油などの原料選び、気候の特性や製麺技能士の腕によって食味が大きく変わるのだ。
“推し麺”は手延べ&食べ比べで発掘すべし!
では、数あるそうめんの中からどうやって選べばいいのだろう。
「ポイントは2つ。まず外袋に“手延べ”と書かれているか確認します。職人の手によって生地を引きのばした麺は機械麺よりもコシが強く、のどを通り抜ける“のど走り”の良さが段違いです。
次に5大そうめん“三輪そうめん、揖保乃糸、小豆島そうめん、島原そうめん、半田そうめん”を順番に食べ比べると好みの麺が見つかると思います」
二郎さん直伝のツウな食べ方は、オリーブオイル、ハーブソルト、ミントを麺にのせる斬新なもの。めんつゆを使わないぶん小麦の風味が引き出され、麺本来の味がわかるそう。
一方めんつゆで食べて味が薄まったときは、ごま油やナンプラーを足す味変や、ジャスミンティーを加えるそば湯のようなアレンジもおすすめだ。
「かつてはお中元の品といえばそうめんでした。それは延ばしても延ばしても切れない長い麺のようにご縁が続く願いを込めたから。誰かと一緒に、そうめんのある食卓を囲んでほしいですね」