続いては、“光とがん”の意外な関係。
「光ががんに悪影響を与えることが指摘されています。都市部など、夜間の照明が強い地域に住んでいる女性は、乳がんのリスクが14%上がるということがハーバード大学の研究でわかりました」
家庭や会社、コンビニ、街灯、スポーツ場のライトなどふだんの生活で目に入る光すべてが原因になる。
「光は前立腺がんや大腸がんにも影響し、明るい部屋で寝る人の前立腺がんリスクは、真っ暗な部屋で寝る人の2.8倍にもなります」
もともと人間は太陽の光で起き、暗くなったら寝るという生活をしていた生き物。しかし、現代は夜も光がある状態。人間の体内時計に悪影響を及ぼし、自律神経やホルモンバランスを乱すことが、がんを誘発すると考えられている。
「夜は部屋の電気をできるだけ落とし、カーテンを閉めて外からの光を遮りましょう。パソコンやスマホの電源を落とし、ブルーライトを避けることも大切です」
3つ目のリスクは血液型。がんに関係が?と思われるかもしれないが、特に膵臓(すいぞう)がんと関係がある。
「膵臓がんは初期発見が難しいため、多くの危険因子の研究が行われてきました。その中で、家族歴、糖尿病、慢性膵炎、肥満、喫煙などのほかに、血液型も発症リスクに関連していることがわかったのです」
海外の研究で、B型の人はO型の人に比べて膵臓がん発症リスクが1.7倍、AB型の人は1.5倍、A型の人は1.3倍という結果が出たのだ。
また、日本では一般人口に比べて膵臓がんを発症する人はA型の人が多いという結果に。また、A型やAB型は手術後の生存期間が短いというデータもある。
「原因はわかっていませんが、A型やAB型の人の膵臓がんは悪性度が高く、転移しやすい可能性があると考えられています」
そう聞くと不安になるが、過剰な心配は不要。
「A型とAB型の人全員が心配する必要はありませんが、肥満や糖尿病などほかの危険因子があり気になる人は、人間ドックなどで腹部超音波検査を受けるようにするといいと思います」