「よく一人で入れたね―。飲めるの? じゃあ、ビールだ」
有無を言わせない采配をし、『ザ・ノンフィクション』でもやっていたとおり小瓶を栓抜きでカンカン叩きながら持ってきてくれた律子さん。ハンバーグなど店の名物料理を注文後、お店がなくなることが残念だと伝えると、
「“オレ”ももう年だからねー。もう、(お店を続けることは)いいの。儲かんないし。昔は24時間営業もしてたし、芸能系の手伝いみたいな仕事もしてたから儲かったの。宝石も洋服も大好きで、百貨店で1000万円は使ったよー。ほら、これ見て」(律子さん)と、指差す胸元には、立派なイエローダイヤが輝いていた。
“占い師”の一面もある律子ママ
この日はバブルの頃から通っていて、10数年前に自身の還暦祝いを「クイン」で催したという常連さんの姿も。
「以前はモーニングやランチ営業が主体で、安い定食とランチビール目当ての営業系のサラリーマンたちの憩いの場でもあったんです。その後24時間営業にして、シフトの管理が大変だということで深夜営業にしたそうですよ。客層は変わりましたが、りっちゃんは変わらないですね(笑)。一人称は“オレ”で、ズケズケ言うし下ネタもバンバンだけど、温かい。定食が500円台と安いのも、お店を終えてからやってくるお金のないゲイバーのスタッフたちのことを思っての価格帯だそうです」(古くからの常連さん)
律子さんに今後のことを聞いた。
「わかんないね。とりあえず休む」(律子さん)
ゆっくり羽を休めてほしいものだが、こんな情報も。
「実はりっちゃんには占い師の一面もあるんです。霊感もあって、オリジナルの占術も持っているんだとか。50年以上、二丁目でいろんな人たちの相談に乗ってきたという実績もありますから、当たる当たらない以前に頼りがいはありますよね」(前出・二丁目の飲食店関係者)
「クイン」のシャッターは降りたものの、律子さんの“新宿二丁目の母”という看板は当分下りそうにない――。