自由で不自由。だから脳を刺激する
ある種の制約があるからこそ、難しくて面白い、そして心に残る回文。その魅力は?
「ネット上でバズる回文は、たいていナンセンスでユーモラスなものが多い。もちろんそれも回文の面白さではありますが、魅力はそれだけではありません。
グッとくるもの、ちょっと切ないもの、想像が広がるもの、そんな回文も作れるし、作りたいと思っています。回文だからこそこんな素敵な詩になった、そんな心に届く一文に出会いたいです」
すべてを表現しすぎないことで、読む人が自由に想像できる、そんな作品を目指しているというコジヤジコさん。回文の形式も定型にとらわれず、さらに不思議で迷路に迷い込んでしまいそうな作品も。
脳を柔らかくほぐして、回文の世界を楽しんでみよう。
「情景が思い浮かぶ」回文
詳しい描写がなくても、不思議なリズムの中にワンシーンが浮かぶ
バクも乗る夜の木馬(ばくものるよるのもくば)
坂の下歩いている、あたしの傘(さかのしたあるいているあたしのかさ)
読むよ手にミステリ借りて隅にて読むよ
(よむよてにみすてりかりてすみにてよむよ)