まずは、何がどこに収納されていると、スムーズに出し入れできるのか見直してみよう。
扉があってもなくても『見える』ことが大切
「隠すように押し込んだだけの収納は、捜す手間や片づける手数が増えて、かえって“面倒くさい”の原因に。見えないものは、使わなくなるため、眠ったものも増え続けます。そんな悪循環を断ち切るために意識するのが、『見える収納』です」
そのための田中さんの工夫のひとつが、棚の扉を外して使用すること。
「収納は扉がないほうが使いやすくて効率的です。使用頻度の高いものこそ、オープン棚での収納や出しっ放し収納がおすすめ。常にものが見えるので整頓の意識が高まるうえ、物量も把握できてものが増えにくくなる。結果、より良い収納の循環が生まれます。
よく、棚全体をボックスできっちり仕切る収納を見かけますが、一見すっきりしているようで、扉を開ける、箱を引き出す、ものを捜して取る、箱を戻す、扉を閉める、と手数が何倍にもなるので実は上級者向け。箱の中身を把握していないと、奥から『こんなの持ってた?』という忘却物が出てくることも。扉があってもなくても『見える』ことが大切なのです」
昨今、家事も仕事もコスパ重視といわれる時代。さまざまな時短術の情報があふれている中で、本質を見極めることが重要だ。。
「時短とは、ただ効率を求めるのではなく、自分が大事にしたいこと、やりたいことに時間が使えるように、暮らしのなかで費やしてきた時間を見直すこと。決して手抜きではありません。面倒に思ったりせず片づけることで、家事が効率よくでき、結果時短につながります」
ただ、掃除が苦手、毎日献立を考えるのが苦痛など、家事が嫌いで、捗らない人も少なくない。
「嫌いなことには必ず、嫌いになる原因があります。まずはその理由を書き出して、取り除いていきましょう」
嫌いな理由の多くは、おっくうや面倒が多いと田中さん。家の中を行ったり来たりしてやる気が失せるのであれば、必要なものを適切な場所に置けばいい。