那覇市は禁煙区域外での喫煙マナーの啓発と外国人観光客への周知が課題
2007(平成19)年に『路上喫煙禁止条例』を施行した那覇市では、2009(平成21)年から、那覇市役所前から、国際通り全域とモノレール県庁前駅から国際通りまで、そして沖映通りの総延長およそ2キロ半のエリアを禁止地域とし、指導員が巡回する制度がスタート。2000円の過料という罰則規定もあるが、見つけたら即座に課すわけではなく、まずは、口頭で指導、従わない場合には、文書で勧告、そして、それにも従わない場合には文書で命令を行い、さらに、それにも従わなければ過料処分という段階を踏むという。
そのため実際は、「ほとんどの場合が口頭指導の段階ですぐに指導に応じていただいており、勧告や命令の対象となった事例はございません。従って、日本人及び外国人に対する罰則(過料)の実績はございません」(那覇市保健所健康増進課)
巡回以外にも指定喫煙所の設置、モノレール広告やチラシ・携帯灰皿の配布、禁止地区路上への路上喫煙防止タイルの設置などの啓発活動を続けており、地元住民や日本人観光客の指導件数は指導開始当初から大幅な減少が見られている。
その一方で、外国人環境客の指導件数はあまり大きな変化が見られない。これについて那覇市の担当者は、「喫煙は国や地域によって法規制やマナーが異なります。不慣れな旅先においては、そのエリアのルールが把握できていない方も多く、まだまだ周知不足の面があることが外国人観光客の指導件数が減らない要因かと推測します」と述べる。
現在那覇市では、国際通りに設置したデジタルサイネージを活用して文字だけでなくピクトグラム風のマークを放映での周知や、巡回指導員よる「No smoking」等の簡単な英語による外国人への指導を行っているという。
那覇市の担当者に今後の課題について尋ねると、「禁煙場所での喫煙については、法で罰則もあり指導がし易く、改善が進んでいるものと思われます。一方、禁煙区域でない場所、路上・バス停・共同住宅等における喫煙については、配慮義務はあるものの法の規制外であり行政として指導する権利はなく、協力要望を伝えるのみで受動喫煙防止対策が弱いと考えています。市民や施設管理者等に対して、喫煙の際における配慮義務の理解・周知啓発の仕方・方法が課題です」とのことだった。